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2017.10.13   2020.07.14

【実録】コインランドリー経営の実態!利回り15%は真っ赤なウソ!

コインランドリー

先日、中部地方で不動産業を営まれている友人であり先輩の経営者の方と電話で話をしていました。その先輩の経営者は中部地方でコインランドリーの経営しているのですが、以前から土地の有効活用としてのコインランドリー経営に興味がありました。

なぜ私がコインランドリー経営に興味があるかと言えば、それは「コインランドリー 経営」とインターネットで検索をすると、

  • 「賃貸マンションに投資するよりも効率的」
  • 「平均利回り15%」

という文言ばかりが私の目に飛び込んで来たからです。デメリットを探すのが大変なくらいでした。「メリットしかないのに利回りが良い」という事を一言で表現すると、

  • 儲かる

となります。賃貸マンション経営とコインランドリー経営を同列に並べることは私には少し「???」ですが、利回り15%は不動産の利回りが絶賛低下中の現在では非常に魅力的です。中規模なコインランドリー経営を行う際の初期投資額はおおよそ2,000万円とのことですが、利回り15%であれば年間300万円の収入があるということになります。

このことが頭から離れなかった私は夜もぐっすり眠れませんでした。ちなみに昨日は就寝21:30起床6:30でした。自分で思っている以上にぐっすり眠れていました。そして、たまたま先ほど紹介した先輩経営者の方から電話があったので、恐る恐る聞いてみました。

  • 「コインランドリー経営って儲かるんですよね!?」
  • 「いや、そんな事ない。」

常日頃からコインランドリー経営について話を聞くチャンスを伺っていた私にとっては、衝撃の一言でした。なんとコインランドリー経営は儲からないらしいのです

そしてその後も嫌な返事もせず、コインランドリー経営のありとあらゆる現状を私に教えてくれました。気付いたら携帯電話の通話時間が1時間10分になっていました。○○社長、お忙しい中色々と教えていただきありがとうございました。

今回はその時に伺ったコインランドリー経営の実際の利回りと、その他コインランドリー経営の現状を皆様にお伝えしようと思つています。コインランドリー経営に興味がある方はぜひ一度読んでみてください。

1.コインランドリー経営の平均利回り15%は「あり得ない」

先ほどもカンタンに述べましたが、コインランドリー経営の平均利回り15%はあり得ないそうです。非常に力強く「15%!?無いね!」と仰っていましたので、本当にあり得ない数字なのでしょう。

コインランドリーの平均的な月商は60万円のようです。確かに中部地方でも月商150万円をたたき出す店舗もあるそうです。しかし、それはごく限られたトップクラスのコインランドリー店舗のみが成し得る技。平均的な月商である60万円を想定してコインランドリーを出店したのに、売上が10万円に問満たないなんてこともザラにあるとか。現在ではコインランドリーが大量に開店しているように見えますが、その裏で閉店しているコインランドリーも後を絶ちません

コインランドリー経営の出口とは?

コインランドリーの一般的な経費率は25%との事。

利回りも10%いけば御の字だそうです。15%などという数字は相当の立地でないと厳しいとの事。そもそも賃貸マンションなどと同じ利回りという言葉を使うこと自体が私には疑問です。「賃貸マンションは都心だと利回り4~5%台だけど、コインランドリー経営なら15%以上の利回りがあるから」表現される方がいますが、この両者を同列に並べてしまって良いのでしょうか。以下は私の考え方になります。異論も当然あると思います。

賃貸マンション経営は「投資」でありコインランドリー経営は「事業」である、などとは言いませんので安心してください。言葉の定義なんてどうでも良いです。以下の3つの視点からカンタンに考察します。

  • 想定収入
  • 期中の収入
  • 出口

想定収入

賃貸マンションは新築であれば(もちろんある程度の立地であることが条件ですが)基本的に満室スタートできます。つまり当初から想定通りの賃料が入ってくるのです。「想定していたよりも収入がだいぶ安い!」という事は滅多に起こりません。もちろん中古物件になれば、賃料収入は当初よりも格段に下がりますが。

これに対してコインランドリー経営は、お客様に認知されるまでに相当の時間を要します。言い換えると、想定通りの収入が得られるまでに相当の我慢が必要です。数年間は我慢する必要があるようです。そして、最初の1年は赤字スタートが一般的のようです。その赤字に耐えうる資力がなければ、コインランドリーを経営していくのは至難の業と言っていました。

期中の収入

次に期中の収入。賃貸マンションであれば空室でも発生しない限り、毎月の収入が大きく変動することはありません。しかし、コインランドリー経営の場合にはそうはいきません。毎月ではなく毎日売り上げが変動します。この毎日の売上変動に対応していく必要があるのです。自分でビラを作って近所に撒くなどの努力が必要なのです。

出口

最後に出口。出口とは投資の手仕舞いの事です。つまり、最後はどのようにして終わらせるのかという意味なのですが、賃貸マンションであれば価格さえ間違わなければ大方売却できます。もちろん立地も重要で、たとえ価格が安くても立地が悪いと売却に苦労します。しかし、最後は売却という手仕舞い方法がしっかりと確率されています。

他方、コインランドリーはどうでしょうか。出口として売却という道はあるのでしょうか。もちろん、コインランドリー経営に携わりたい方への売却という道は十分に想定できます。しかし、今まで私のもとに売却希望のコインランドリー物件資料が回ってきたことは一度もありません。現状では、コインランドリーとして売却するのではなく、コインランドリーを潰して土地として売却することの方が多いように思えます。

カンタンに考察しただけですがこれだけの違いがあるのです。今後は「利回り」という判断基準を基に賃貸マンション投資とコインランドリー経営を同列に並べることは止めましょう。先輩経営者曰く、コインランドリー経営は日々の業務も結構あるようです。ですので、不労所得という言葉は全く論外です。副業として

2.コインランドリーの店舗数がファミマと同じ!?

この記事を書いている2017年10月現在で、両者ともおおよそ1.8万店舗あるそうです。普通にビックリしました。こう言ってはなんですが、コインランドリーの需要がこれほどまでに大きいとは思ってもみませんでした。とても気になったのでインターネットで調べてみたら、コインランドリーの店舗数に納得できる理由が見つかりました。

洗濯から乾燥までを短時間で完結してくれるコインランドリーは、家事に費やす時間の短縮に大いに役に立ちます。女性の社会進出が増加している現在においては、必要不可欠なインフラになりつつあります。

また、毛布や布団などを洗濯する際はコインランドリーに設置してある大型の洗濯機が非常に便利です。ここまで大型の洗濯機がご自宅にある方はまずいないでしょう。衣替えのシーズンなどはコインランドリーは大繁盛しますからね。

コインランドリーは今の時代の流れに合っています。だからここまで拡大傾向なのでしょう。しかし、このまま供給が続けばいずれは間違いなく供給過多になります。そうなるとコインランドリー同士の潰しあいが始まります。今後コインランドリー経営をしようと考えている方は、市場の動向に十分注意してください。

コンビニとコインランドリーの店舗数が同じ!?

破竹の勢いで出店を続けているコンビニとほぼ同じ店舗数のコインランドリー。果たして今後はどうなるのでしょうか?

3.「雨が降ったらコインランドリーは儲かる」はウソ 雨の降り方が重要

雨が降っても夜明け前に止んでしまえば、わざわざコインランドリーを利用しません。朝から洗濯して外に干せば良いので。また例え日中も雨が降っていても次の日が晴れ予報であれば、お客さんの数はそれほど増えないようです。「明日晴れるなら明日洗濯しよう」となります。私の家もそんな感じなのでよく分かります。

このように例え雨が降ったとしても、その降り方次第ではお客さんの数はほとんど変わらないそうです。コインランドリーにおいてお客さんの数が劇的に増えるのは「雨が2日以上降り続いた時」だそうです。雨が2日以上降り続いてしまうと時に災害が発生する可能性が高まりますので推奨は出来ませんが、コインランドリー経営においては売上が増加する1つの要因となっています。

自然が相手ですので味方に付けることは難しいですが、実際にコインランドリー経営をされている方の意見は説得力がありますね。

4.店内を見渡せば資金力があるかどうかが一目瞭然

コインランドリーの設備は主に、

  • 洗濯機
  • 洗濯乾燥機
  • 乾燥機

ですが、この中で一番高価なものは洗濯乾燥機との事です。大型の洗濯乾燥機で大体1台250万円位だとか。乾燥機は100万円を切るそうですが、それでも決して安くはありません。家庭用の洗濯機と比べると価格が全く異なります。このことから次の事が分かります。

  • 金持ちコインランドリー⇒大型の洗濯乾燥機を多数設置
  • 貧乏コインランドリー⇒乾燥機が異様に多い

どうですか。この考え方、ちょっと斬新じゃないですか。私にはこの発想は無かったので無意識に「なるほど!」と言ってしまいました。そう考えると、確かに乾燥機と洗濯乾燥機の設置比率が明らかにおかしいコインランドリー店がありますよね。「バランス悪いな~」って思った記憶があります。

もちろん、乾燥機需要が多い地域なので乾燥機を多めに設置している、ということも当然あり得ます。資金力の問題だけではないかもしれませんが、この考え方は非常に勉強になりました。

5.その他で気になった話

確保すべき駐車場台数

この点も私にとっては意外だったのですが、コインランドリー経営においてマストな駐車場台数は、

最低3台

との事です。なぜ私が意外に思ったかと言えば、熊本にあるコインランドリーの駐車場台数はゆうに10台を超えているからです。熊本は完全な車社会ですから、駐車場台数もより多く必要という事なのでしょうか。

洗剤の投入方法

昔は洗濯物と一緒に洗濯機に洗剤を投入していたようですが、現在のコインランドリーに設置してある洗濯機には洗剤を自分で入れる必要はありません。なんとバックヤードにおいてある一斗缶のような大きな洗剤容器からポンプのようなもので自動で吸い上げて各洗濯機に補充されているようです。これぞ進化。私が気になっただけですので、ここらへんで終わりにします。

6.コインランドリー経営についてまとめ

いかがでしたでしょうか。「コインランドリー経営とはどういうものか?」実際に経営をされている方のお話は本当に貴重です。様々なお話を伺いましたが、私なりにコインランドリー経営を一言でまとめると、

コインランドリー経営は甘くない

というようになります。楽してお金を稼ぐことなどできないのです。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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