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2017.10.31   2020.07.12

高額・資産価値減少・流動性の欠如こそが不動産投資のリスクだ!

不動産詐欺師の手口

不動産投資のリスクと言えば

 

空室

災害

 

を思い浮かべる方が多数でしょう。確かに「空室」「災害」は不動産投資にとっては厄介なリスクです。空室が発生してしまうと収入が減少します(若しくは無くなります)。また、地震などの災害が起きれば、多額の修繕費が必要になる場合もあります。出来れば避けたいリスクであることに間違いはありません。

 

しかし、それ以外にも考慮しておかなければいけないリスクが存在します。「高額」「資産価値」「流動性の欠如」です。流動性の欠如は言い過ぎかもしれませんが、そのくらい危険なリスクであると思ってください。なぜこれらのリスクを取り上げたかと言えば、非常に分かりづらく把握しづらいリスクであるからです。

 

現在、不動産市場は超加熱しています。過熱を通り越して危険な状況です。危険な状況であるにもかかわらず、そのような情報があまり表に出てこない。日銀の金融緩和政策、不動産投資セミナーや不動産投資成功者の体験談など不動産投資の裏の顔を隠しているのです。不動産投資の裏の顔が表に出てきた時には「時すでに遅し」という状況になりかねません。

【目次】

1.不動産投資はそもそも高額な投資である

不動産投資のメリットとして「融資を受けられる」ことを挙げる方がいらっしゃいます。確かに融資を受けられるというのは数ある投資商品の中でも不動産投資特有のものです。融資を受けることによって、自分の手金以上の投資を行えるわけですから。企業をがお金を借りて自己資金以上の投資するのと同様ですね。

 

しかし、裏を返せば融資を受けないと投資が出来ないほど高額な投資商品と見ることもできます。捨てるほどお金を持っている富豪ならいざ知らず、一般の方がキャッシュでボンボン不動産を購入することは不可能でしょう。当たり前の話ですが、投資商品が高額になればなるほどリターンは大きくなります。そしてリスクも増大するのです。

 

1億円の賃貸マンションに投資し年間500万円のキャッシュフローがあったとしましょう。3年後に売却しようと思った時に、この賃貸マンションは1億円で売れるとは限りません。8,500万円以上で売らないとトータルで赤字です。3年間の利益の1,500万円など一気に吹っ飛んでしまいます。金額が高額なゆえの恐ろしいリスクです。

※実際には8,500万円で売っても税金などを計算すればトントンではなく赤字です。詳しくは、

 

まさかの税率約40%!不動産の短期譲渡には気を付けて!

 

をご覧ください。

2.建物の資産価値は買った瞬間から下落し始める

減価償却費をご存知ですか。下記のコラムに詳しく書かせていただいています。

 

知ってますか?建物の「減価償却費」が節税になると言われる理由

 

建物の資産価値は年々減少していきます。上記の減価償却費の分だけ毎年が下がっているのです。しかし価値が下がっているのかどうかは目には見えません。そして、不動産市場が上昇基調の時には購入価格よりも売却価格が高額になることが多々あります。不動産市場全体の動きが個別の不動産の状況を凌駕してしまうのです。

 

しかし、例え売却価格が購入価格よりも高くなったとしても建物の価値は減少の一途を辿ります。建て替えでもしない限り、資産価値は減少します。維持されるのではなくて減少していくのです。見えない、若しくは見えづらくなってしまっているだけなのです。

 

建物の資産価値は実勢価格とは無関係ではありませんが、別物です。

 

知ってますか?建物の「減価償却費」が節税になると言われる理由

 

不動産市場全体が上昇基調の時には、実勢価格に目が行ってしまい建物本来の資産価値を忘れがちです。自分の投資物件に関しては、良い事も悪い事も把握しておかなければいけません。

3.不動産投資は流動性が極めて低い

J-REIT(上場不動産投資信託。日本版リート)がなぜ創設されたのかご存知でしょうか。ズバリ「不動産の流動性を高めて不動産取引を活性化させるため」です。株式や為替がなぜ流動性に優れているかと言えば、株式市場為替市場があるからです。同じような効果を不動産に求めた結果、J-REITが創設されました。

 

確かに物件によっては流動性の高い商品もあります。都心5区で価格が比較的安い賃貸マンションなどが売りに出てきたら一瞬で誰かが買っていくでしょう。それこそどこかのREITが買っていくことだって考えられます。しかし、流動性の高い不動産はほんの一部しかありません。その他大勢の不動産は売りたくても売れないのが現状です。

 

REITのように多数の不動産をまとめて投資信託の形で販売するのであればまだしも、同じものは1つもない超個性的な不動産はそもそも流動性とは無縁の存在です。取引市場があればその不動産が高いのか安いのかを判断することができますが、無いので高いのか安いのかの判断さえ難しい状況です。また売主と買主が1対1で行う相対取引であることも価格の把握を困難にしています。現状では、流動性を求めること自体がオカシイ事なのです。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はリスクが高いにも関わらず把握することが困難な、

  • 高額
  • 資産価値減少
  • 流動性の欠如

に関して触れてみました。これら3つのリスクは不動産市場全体が調子の良い時は全く表に出てきません。隠れているのです。でも一度不動産市場の調子が悪くなればひょこっと顔を出し始めます。非常にタチも癖も悪いリスクです。

 

でもご安心ください。常日頃からこれらのリスクを意識しておけば怖い事はありません。何事も毎日の積み重ねが重要です。

 

最後までお読みいただきましてありがとうございました。


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