土地の有効活用としても大人気のコインパーキング経営。
インターネットでコインパーキングと検索すると、「コインパーキング経営」「コインパーキングで利回り○○%」「土地が無くてもコインパーキング経営が出来る」などの情報は出てきますが、その元締めであるコインパーキング会社の情報はほとんど出てきません。
そこで今回は、コインパーキング会社、言い換えれば日本の駐車場業界を裏で牛耳っている帝王たちの経営状況及び業務内容をみていきたいと思います。これだけコインパーキング経営が盛況である現在、あえて見るまでも無い、と言われればそれまでですが。
1.帝王たちの業績
平成28年度決算 | |||
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単位:百万円 | |||
社名 | 売上高 | 営業利益 | 売上高営業利益率 |
パーク24株式会社 | 194,398 | 21,453 | 11.0% |
日本駐車場開発株式会社 | 18,139 | 1,977 | 10.9% |
バラカ株式会社 | 12,016 | 2,397 | 19.9% |
※この他にも三井不動産の「三井のリパーク」や東京建物の「NPC24H」など大手不動産会社の子会社があります |
売上高はパーク24の圧勝。他社と10倍以上の差
売上高営業利益率はパラカに軍配。売上高営業利益率20%弱はとてつもなく優秀
まず、総じて売上高営業利益率が高いですね。10%を超えるなんて超優良企業と言っても良いでしょう。ここまで利益率の高い業態であるとは思ってもいませんでした。単純に私の勉強不足です。
2.帝王たちの業務内容
コインパーキング
- コインパーキングとは?
- 説明不要なのではないでしょうか。
駐車場シェアサービス
- 駐車場シェアサービスとは?
- 個人の方が所有されているが利用していない駐車場やマンションの空き駐車場、法人所有の駐車場などあらゆる駐車場をインターネット経由で貸し借り出来るサービスです。
駐車場業界でも最近特に伸びている分野です。akippaというベンチャー企業が先駆けで市場を独占しています。ベンチャー企業ながら大手にチャレンジする精神が素晴らしいと思います。
akippaのビジネスモデル | ||
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収入 | 支出 | |
貸す側 | 駐車料金代の50% | ― (※1) |
借りる側 | ― | 駐車場料金 |
akippa | 駐車料金代の50% | ― (※2) |
※1.akippaの駐車場であることを示す三角コーンを購入する必要があります ※2.あくまで「駐車場運営に関わる支出はない」という意味ですのでご注意ください |
初期費用が限りなく少ないという意味では、土地の有効活用として十分検討する価値のあるビジネスモデルです。今後は駐車場立地は、
- 月極駐車場
- 時間貸駐車場
- 駐車場シェアサービス
上記のように用途が広がりますね。またakippaの特徴は、
- 個人法人ともに登録料や月額利用料は無料。費用と言えば借りる側が日払う駐車場料金のみ。
- 駐車場料金を決めるのはオーナー
- 駐車場の数は13,000を超える。利用者は数十万人。
- 他の駐車場業界大手の企業もakippaに参加し、稼働状況の悪い駐車場をakippa利用者に開放している。
- 東京都内での戦略は「価格勝負」。イベント会場周辺では価格勝負はせずに予約を最優先。
です。隙間産業と言えば隙間産業ですが、非常に目の付け所が良いです。大手自動車メーカーとも提携し、今後は自動車のナビがakippaの駐車場を検索できるようになるようです。急いでいる時に駐車場を探すのって、大変ですよね。この取り組みはユーザー視点に立った非常に素晴らしいものであると私は思います。
カーシェアサービス
- カーシェアサービスとは?
- レンタカーよりもさらに短い時間(15分とかでもOK)で車をシェアできるサービスです。
カーシェアビジネスを成功させるには「人(会員)、車、土地(ステーション)」が不可欠。
ここにパーク24の成功の理由があります。カーシェアビジネスを成功させるには上記の3要素が揃う必要があります。その中でも一番のネックはステーション(駐車場)の開発です。パーク24は既存のコインパーキングをステーションとして利用できたので、他のカーシェア会社がステーションの開発で苦しんでいるのをよそに圧倒的パワーで突き進んでいます。
3.帝王たちの未来
駐車場ビジネス自体は、初期投資の手軽さから個人法人を問わず参入障壁が低いです。そして参入障壁が低い分駐車場の供給が過剰になる恐れは否定できません。
今後はakippaのようにシステムを導入することにより、より利用しやすい駐車場というものが求められます。リアルタイムでコインパーキングの空き状況を教えてくれるようなシステムがあれば利用者としては便利ですよね。私には間違いなく便利です。
私の為に駐車場リアルタイム空き情報サービスを誰かが開発してくれることを望んでいます。すでに開発されていたらすいません…。他力本願ではなく自分で頑張らねば。。。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
この記事を書いている2017年9月現在、駐車場ビジネス関連企業は売上・利益率ともに絶好調です。経営に直接携わると、売上高営業利益率10%のスゴさが痛い程分かります。私もそれくらいの利益を出せるような経営者にならなければいけません。ゴールが全く見えませんが。。。
その地域の中心となる駅の周辺や街の中心部では、コインパーキングを探すのは骨が折れます。見つからなくて周辺をグルグル回ることさえあります。まだまだ伸びしろがありそうですね。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。