日本の中でも特にオフィスビルの需要が多い場所ですね。需要が多いとは言っても「1%台」はスゴい。空室率は5%を下回ると「貸手市場」だと言われていますが、1%台の現在は「超貸手市場」。オーナーはウハウハです。それだけ景気が良いという事なのだろうと思いますが、地方にいるとイマイチ実感が湧きません。熊本の中心部を歩いてみると分かりますが、しっかりとしたオフィスビルでも「空室」の看板が目につきます。「この場所で空室がでちゃうの!?」という場所です。
- 大規模オフィスビル
- 基準階の貸室面積が200坪以上のオフィスビル
- 東京都心5区
- 千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区
東京都心5区にある基準階の貸室面積が100坪以上のオフィスビルに関しても、空室率は低く推移しています。おおよそ3%台だそうです。そしてまだまだ低下傾向にあるそうです。中央区だけ空室率が6%台のようです。中央区は古いオフィスビルが多そうなので、その事が影響をしているのかも知れません。私の勝手なイメージなので、参考にはしないでください。
ちなみに東京都心5区にある基準階貸室面積が100坪以上のオフィスビルでも、2012年には空室率が9%台に達しました。空室率9%は正直キツい。不動産投資を行う場合には、例え現状が満室稼働でもある程度の空室率を見込んだ上で投資を実行します。オフィスビルであれば3~5%くらいでしょうか。空室率を9%と想定する投資家は滅多にいないでしょう。そんなに空室率が上昇するような物件には、そもそも投資をしないでしょう。私ならストレスですぐにお腹を下しそうなレベルです。
ではこの空室率に影響を及ぼす要因とは何なのでしょうか。今回は「景気・大量供給・賃料」という3つの観点から考えていきたいと思います。
景気
景気の良し悪しはオフィスビルの空室率に多大なる影響を与えます。考えればカンタンですね。景気が良い時は企業も業績が良くなります。業績が良くなればより多くの人材が必要になります。そして、新たな人材を雇用すれば雇用するだけ、それに伴ったオフィスが必要になります。こうして景気が良い時にはオフィスビルの需要が活発になり、空室率が低下するのです。
反対も然りです。景気が悪いと企業の業績も悪くなります。業績が悪くなると企業は新たな人材を雇用することはしません。新たな人材を雇用して会社の数字を悪化させるよりも、まずは悪い状況からの脱出が最優先です。こうなると、新たなオフィス需要は生まれません。現在の オフィスよりもより小規模なオフィスに移転する「縮小移転」は起こりますが、それは望ましいものではありません。
景気は循環します。良い時もあれば悪い時もあります。という事は景気に連動してオフィスビルの空室率も循環します。なので空室率が3%の時もあれば9%の時もあるのです。景気とオフィスの空室率の関係にはこのような連動関係があります。オーナーの皆さん、景気の悪い時は「我慢」です。ひたすら耐えて、景気の回復を待ちましょう。って頭では理解できますが、もし仮に私がそのような状況に直面したらパニックになる事間違い無し!です/
大量供給
オフィスビルの大量供給も空室率に影響を及ぼします。新たなオフィスビルが供給されればそれだけオフィスビル全体としての貸室面積が増えることになるので、需要が一定であれば空室率は上昇することになります。例えばオフィスビルの貸室面積が1万坪で空室率が5%の場合、オフィスビルの新規供給により1万坪⇒1.2万坪に貸室面積が増加すれば、空室率は約8%になります(需要が一定の場合)。
他方、オフィスビルの大量供給が行われない場合には空室率は低下する傾向があります。もちろん景気が下降局面にありオフィス需要が減退している場合には、新規供給があろうがなかろうがそれほど空室率に影響はないかもしれません。しかし、景気が上昇局面にあるにも関わらずオフィスビルの大量供給が無い場合、空室率は低下します。
オフィスビルの新規供給に関しては、その年ごとにバラつきがあり一概には言えません。しかし、2018年~2020年までは東京オリンピック需要も相まってオフィスビルの新規供給は例年の平均である100万㎡を上回る見込みです。東京オリンピックまでは景気も上昇傾向であるという見方が大半であるとは思いますが、そこ後はどうなるのでしょうか。ちょっと怖いですよね。
賃料
賃料も空室率に影響を及ぼします。賃料が相場よりも高ければなかなか企業が入居してくれませんので、空室率は上昇します。反対に賃料が相場よりも安ければ、企業はこぞって入居を希望するでしょう。賃貸マンションと同じなのでイメージしやすいですね。
しかし、この賃料と空室率の関係は少し特殊な面があります。「空室率は賃料の先行指標」と言われているのがそれです。つまり、空室率が下落し始めると賃料は増加し始めるのです。反対に、空室率が上昇し始めると、賃料が下落しやすくなります。これは「空室率の上下」が「オーナー側の考え方」に大きな影響を与えることから発生します。
つまり、空室率が下落すればオフィスビルのオーナーが強気になり、賃料アップを要求し始めるのです。一般的には、空室率が5%以下になると「貸手市場」になりこのような現象が起こると言われています。他方、空室率が5%以上になると、オーナー側への賃料減額請求が成功しやすくなると言われています。空室率が5%以下になった場合に多数のオーナーが一斉に賃料増額要求をし始めたら怖いですけどね。その反対も然りです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は空室率について、「景気・大量供給・賃料」という3つの観点から考察をしてみましたが、その中でも空室率に多大なる影響を与えるものは「景気」です。景気が良ければ、例えオフィスビルの大量供給が行われても消化できますし、賃料の上昇も吸収できます。
なので、「大量供給・賃料」に関してはその大前提として「景気」の良し悪しがあるという事を決して忘れないでください。、そうすればオフィスビルの将来の展望に関して誤った判断はしなくなると思います。
最後までお読み頂きましてありがとうございました。