不動産の所有権は放棄できるのか?
この問題を考えるにあたって、避けては通れないのが「民法239条2項」です。
民法239条第2項には、
所有者のない不動産は、国庫に帰属する。
という条文があります。条文を素直に読めば、所有者のいない無主の不動産は国のものになるという事になります。所有者のいない不動産が日本にどれだけ存在しているのかは分かりません。ですが、そのような不動産は全て国のものなのです。
所有者のいる不動産はその所有者のものであり、所有者のいない不動産は国のものであるという事なのですが、特に問題はないでしょう。不動産と言っても様々ですからね。価値の高い不動産もあれば、価値が低い不動産も存在します。表現は悪いですが、無価値の不動産も多数存在します。人口減少局面にある日本では、不動産の価値はごく一部の地域を除いて減少の傾向と考えて良いでしょう。「所有者のいない不動産をもらえて国だけズルい」という話には決してなりません。
ここでの要注意Wordは”無主”です。
この239条第2項の無主という単語は、最初から所有者がいない場合を想定していると言われています。 言い換えれば所有権を放棄して無主の不動産となった場合は239条2項では想定されていないのです。法律、難しい。。。理屈っぽさ全開ですよね。。。
239条2項だけでは不動産の所有権の放棄は出来ませんでした。私が現在求めているもの、それは「所有権の放棄=無主」とするための法律の規定です。民法でも○○法でも何でもよいので、私の願いを叶えてくれる条文を探さなければいけません。早速Googleさんで検索です。
余談ですが、最近Yahoo!よりもGoogleを利用させて頂くことが多くなりました。Yahoo!のトップページの目に飛び込んでくる情報量の多さが昔は好きだったのですが、最近はGoogleのあのシンプルな画面がしっくりくるようになってきました。そういえば、新聞もあまり読まなくなってきてます。昔は隅から隅まで読んでいたのに。。。現代社会の情報量の多さに少し疲れ始めているのかもしれません。ありとあらゆる情報を供給するのも良いですが、今後はその情報を整理する作業がより一層重要になるのではないでしょうか。
もちろん、Yahoo!さんにも毎日お世話になっております。子供に頼まれたポケモンガオーレの☆5キャラのディスクはヤフオクで落札させて頂いておりますし。ゲームでは5,000円10,000円使っても取れるかどうか分からないディスクも、ヤフオクなら1,000円2,000円で買えます。安あがりです。奥さんには「子供にそういうズルいやり方を教えないで!」と怒られましたが、経済的な遊び方だと思いませんか。10,000円使っても取れるかどうか分からないディスクが、2,000円で確実に買える。確率的にも経済的にも効率的です。これが大人の戦い方ですわ。
危うくポケモンの話に終始するところでした。本題に戻り、本日はGoogleさんで検索してみましょう。
・・・
・・・
・・・
・・・ない・・・
そうなのです。不動産の所有権を放棄する条文がないのです。無主の不動産が国庫に帰属することが法律で定められていても、所有権の放棄に関しての法律の定めはない。つまり不動産の所有権を放棄することは出来ない、という結論に達しました。ポケモンの話をしておいた方が皆さん幸せだったかもしれません。話をするも何も、私はドラクエ&FF世代なので、ポケモンはピカチューとたけしぐらいしか知りません。あれ、たかしでしたっけ???
何あともあれ、現状では不動産の所有権を放棄することは出来ないのです。では、ポケモンでゲットしたモンスターの所有権は放棄できるのか・・・ええい!話がややこしくなる!こうまでして笑いを取りに行く自分が恥ずかしい。。。明日、お払いに行ってきます。そもそも、
「なんで所有権を放棄するの?」「とりあえず持っておけばイイじゃん!」
と思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、誠に残念なお知らせですが、不動産は所有しているだけで固定資産税などの税金が発生します。実際に使っていない・活用していない不動産は、見方を変えれば金食い虫になりかねません。何ももたらさないのにお金だけ掛かる、まるで
ヤフオクで不必要なものばかりを敢えて落札しに行く私
の生き写しではないでしょうか。一見価値が無いように思えるものに価値を見出すことこそが生きがいである私が金食い虫なのか、それともその私を端から嘲笑している誰かが金食い虫なのかは一目瞭然です。私こそking of 金食い虫です。ありがとうございます。
本日はどうでも良い話が至る所に登場しています。多分疲れているんですよ、私。もう止めます。もうしません。
つまり、不動産は所有しているだけでお金がかかる。しかし、現在の日本では不動産の所有権を放棄することは出来ない。よって、不動産を手放したい場合には、第三者に売却をするか、もしくは自治体に寄付するかの2択しかないと言っても良いでしょう。価値がある不動産であれば売却することは容易だと思いますが、全ての不動産が問題なく売却することが出来るとは限りません。また、自治体への寄付も相当難しいと聞いています。自治体としても、寄付を受け入れてしまったら、その不動産をしっかりと管理しなければいけません。その費用が掛かりますし、個人の方が所有している際には自治体に固定資産税等の税収が見込めますが、自治体自ら所有してしまうと、その税収はそっくりそのまま無くなってしまいます。費用は掛かるわ税収は無くなるわなので、よっぽど自治体にとってメリットがある物件でないと寄付は受け入れてもらえないでしょう。南無。。。
このように、現在の日本において不動産の所有権は放棄できません。自治体への寄付も難しいので、不動産の所有権を手放すには売却が最善の方法となります。なんかオモシロくない結論ですが、致し方ないのです。
しかし、この所有権放棄できない問題は、既に日本でも大問題になっている空き家の超絶増加問題に直結しています。所有権を放棄出来ないけど使い道がないからとりあえず放っておこう、という考えは決してせめられるものではないのではないでしょうか。むしろ普通の考え方であると思います。
このような様々な問題を解決するためにも、所有権の放棄に関する法整備が必要なのではないでしょうか。確かに国若しくは自治体の費用負担及び税収減に直接結びつく問題であるので、慎重な議論が必要です。むやみやたらに所有権の放棄を認めることが出来ないことは重々承知です。
しかし、確実に議論を始めなければいけない時期に来ていると私は考えます。
最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。