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2017.11.29   2018.04.06

生産緑地とは何か?3分で分かる不動産用語集

不動産特定共同事業法とは何か?

概要

読み方読み方
せいさんりょくち

読み方同意義語
なし

読み方定義
主に3大都市圏(首都圏・中部圏・近畿圏)において、一定の条件を満たした土地に関しては農業を継続することを条件に固定資産税の減額や相続税の納税猶予の適用が受けられます

読み方趣旨
都市部における農地が宅地化することを防止することによって、都市部での良好な環境を形成する為

読み方歴史
生産緑地法が制定された1974年頃は、都心部においては急速に都市化が進んでいました。急速な都市化によって住宅地が圧倒的に不足し、農地が宅地に転用される事例が非常に多くなりました。しかし、市街化区域というものは、そもそも市街化を推し進めることが前提です。市街化区域内に存在する農地に関しても、市街化を推し進めることは当たり前の事でした。

 

 

他方、市街化区域内において昔からの農業従事者から見れば、農地として存続させてほしいという要望が上がるのは当然でしょう。また、このような農地から宅地への急速な転用は、良好な住環境には欠かせない緑地の減少を引き起こしました。災害時の避難場所としても生産緑地は必要不可欠です。

 

 

そのような状況を重くみた行政は、1992年に生産緑地法を改正し
原則:「宅地化を推し進める農地」
例外:「宅地化を抑制する農地」
を明確に区分しました。この宅地化を抑制する農地が生産緑地と言われるものです。

 

 

生産緑地に指定された農地では様々な恩恵が受けられますが、それ以外の農地では「税金は宅地と同様」「相続税の納税免除もない」など農地として維持運用していくことが困難になりました。行政側の思惑通り生産緑地以外の農地の宅地転用は一気に加速しました。

優遇を受けられる反面、規制も多い

生産緑地に指定された場合、税制上の優遇制度があります。

固定資産税が通常の宅地の数百分の1程度になります。1,000㎡で数千円ですので破格の税額です。また、相続税の納税が猶予されます。猶予という言葉を使用したのは、「農地の譲渡があった場合」「農業を辞めた場合」には猶予を受けることがきなくなり納税義務が生じるからです。

 

 

他方、規制もあります。

生産緑地に指定されている場合には営農義務が課せられます。つまり「生産緑地で農業をしなさい」という義務が課せられるのです。当然と言えば当然ですが、一度生産緑地に指定されると解除が非常に難しいのです。「生産緑地指定から30年経過」「土地所有者の障害または死亡」などの条件を満たした場合にのみ手続きが可能となります。

 

 

また、相続人が途中で農業を辞めた場合、相続税の納税猶予を受けなければ支払うべきであった納税額に利息を付けて支払う必要が生じます。その他、農地に建てることができる施設が限られているなどの規制もあります。

2022年問題

詳細は別の記事で書きたいと思いますので、ここでは簡単に触れます。

 

 

生産緑地は市街化区域内にあります。市街化区域内にあるという事は、生産緑地の指定が解除され宅地に転用されれば、住宅やアパート、場所によってはマンションが建設可能です。

 

 

そして、改正された生産緑地法による生産緑地の指定期限は30年間です。もし、改正時に生産緑地に指定されているならば、2022年で指定が解除されます。2017年6月に施行された「改正都市緑地法」では、生産緑地の指定期限後も10年毎の延長を可能としていますが、どの程度の方が延長を希望されるのかは全くの未知数です。

 

 

生産緑地指定解除後には自治体に農地の買取を申し出ることができますが、財政上の理由により地方自治体が買い取ることはないと言われていますし、買取の実績もほとんどありません。そのような状況になれば、農地が宅地として市場に出回ることは明らかです。それらの農地をハウスメーカーや不動産会社が購入し住宅やアパートを建設することも容易に想定できます。

 

 

既に1,000万戸以上の空き家がある日本に、更なる住宅やアパート建設を後押しする要因となり得るのが、この「2022年問題」です。行政側がどのような対応を取るのかによって住宅市場の未来が決まってしまうのです。

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