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2017.10.27   2020.07.12

自称「不動産投資成功者」は本当に成功しているのか?

成功して喜んでいる子供たち

不動産投資における成功とは何でしょうか。高利回りの物件を買う事でしょうか。毎月お金が残る事でしょうか。物件を売却した時に利益が残る事でしょうか。

 

全てがバランスよくかけ合わさって投資物件を売却後に「お金」が増えていれば成功です。お金が減っていれば失敗です。「不動産投資の勉強をしたいから損をしても良い」という事であれば、成功の基準は違うと思いますが、お金が増えているのか減っているのかが成功か失敗かを分けます。

 

 

そして、不動産投資で成功を勝ち取ることは想像以上に難しいです。不動産の知識はもちろん、投資、税金、ローン、法律の知識が必要です。それなのにインターネット上ではさもカンタンに「こうすれば不動産投資で成功する」という言葉が独り歩きしています。

 

今回はそんな「私は〇〇で不動産投資に成功しました」をインターネット上から集めてみました。

目次

1.理論的パターン

利回りが低かったので、利回りを上げたら成功しました。経費率が高かったので経費率を見直したら成功しました。

 

確かにその通りです。例え利回りの低い物件でも「賃料が相場よりも安いから、賃料を上げることが出来ればこの物件は化ける」という考えは理論的です。経費率を見直せば利回りは上昇するという考え方も然り。

 

空室率が高いのであれば、募集を強化して空室率を下げれば利回りは上昇します。それでも埋まらない場合には募集家賃を見直すことも1つの方法です。自動販売機の設置する、敷地内の使用していない駐車場をコインパーキングに転換する、なども考えられるでしょう。経費を下げたいのであれば、委託している管理内容を見直して自分で行えることは自分でするなども考えられます。

 

このように1つ1つの数字と向き合って理論的に解決していけば成功の確率は上昇します。不動産投資を行う会社などは日々この作業の繰り返しです。「伸びるとこのは伸ばし、削れるところは削る」のです。

2.「不動産は立地」パターン

立地の良い賃貸マンションに投資したら成功しました

 

ドナルド・トランプ大統領は言わずもがな不動産事業で大成功を収めた方です。そのトランプ大統領の所有物件は「立地」の良さが際立っています。ニューヨーク、ロサンゼルス、ラスベガス、ワイキキなど超が付くほどの一等地ばかりです。

 

「不動産は立地」という考え方、私は大賛成です。不動産ビジネスを突き詰めれば、全て「立地」に行き着くと私は思っています。ちなみに、トランプ大統領のお父様はアパートを建築して貸すという堅実な不動産業を営まれていたそうです。しかし「それだけではダメだ」と思ったトランプ大統領は、超一等地に商業施設やホテル、カジノなどを経営し始めます。それが大成功を収めました。

 

飲食店でも同じことが言えませんか。

どんなにオイシイお店でも場所が悪いと繁盛しない(隠れた名店などは除かせて頂きます)。逆に味が平凡でも場所がピカ一だったらお客さんが絶え間なくやってきます。飲食店の経営も不動産的な要素が大きいと私は思っています。

3.ど根性パターン

結果が出るまであきらめずに頑張ったら成功しました

 

これは一番致命的なパターンです。不動産投資は入口で失敗をおかした場合、根性で何とかなるものではありません。

 

良くあるのが、土地の有効活用を謳っている不動産業者さんの口車にのせられてしまい、明らかに賃貸需要が無さそうな場所に賃貸アパートを建ててしまった場合です。それでも新築から数年であればひょっとしたら満室になるかもしれません。でも数年後には空室になり、どんなに広告をうって募集をしても新たな入居希望者は現れないでしょう。

 

「高利回り物件に投資したはずなのに、1か月目から大赤字だった」という話、本当によく聞きます。「融資の元利金の返済を考えていなかった」とか、「原状回復費やクリーニング費がこんなに高いものだと思わなかった」とかです。不動産投資の初歩中の初歩です。このような段階でミスを犯しているのであれば、一旦手仕舞いしてもう一度仕切りなおすべきです。

 

今後は人口は「減少」します。現状でもトラブルを抱えている物件が、人口が減少する状況についていけるはずがありません。リカバリーが可能な損失ならば早めの処置をお勧めします。

4.たまたま成功したパターン

割安物件を買って売却したら成功しました

 

不動産投資は売却益を狙ってするものではありません。不動産投資の目的は賃料収入を得ることです。不動産には株の売買における「証券取引所」のような市場はありません。売りたいと思った時に売れるとは限らないのです。売却益を狙いたいのであれば、株に投資したほうがよいでしょう。

 

そして、割安物件なんてそう簡単に変えるものではありません。割安な物件にはそれなりのがあります。

 

個人が相場よりも安く普通の不動産を買う事はほぼ不可能です

 

確かに訳アリ物件を割安で購入して訳アリな部分をキレイにした上で売却をすれば儲かるかもしれません。ですが、個人レベルでやることはほぼ不可能でしょう。相続によって小分けになった土地の権利を1つにまとめるとか、古いマンションを購入して賃貸人の方に立ち退きをお願いし建て替えてバリューアップを目指すとか。まずムリです。

 

以前私も似たような訳アリ物件をいじったことがありましたが「ここは地獄なのか」と思ったほどです。もうあのような経験はおなか一杯です。

 

そして投資用不動産に投資した場合、

 

購入する価格>売却する価格

 

を想定しておくべきです。建物の資産価値は年々下がっていきます。土地は古くなりませんが建物は古くなりますので、感覚的にもご理解いただけるかと思います。最低でも建物は毎年の減価償却費分の資産価値が減少していると思ってください。買った時より高く売れたのであれば、それは「ラッキー」だったのです。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

 

そもそも成功した人には、成功すべきして成功した人とたまたま成功してしまった人がいることを忘れないでください。そして、インターネット上には不幸にもたまたま成功した人の話が多数掲載されています。十分に気を付けてください。

 

さらに、失敗した人は基本的に自分の話をしたがりません。成功した人の話の裏側には数多の失敗者の方々がいることを忘れないでください。

 

最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。


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