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2018.04.21   2020.07.12

容積率を知らずして不動産投資の成功なし!!!

容積率が緩和される場合

不動産ビジネスや不動産投資を行う上での超重要キーワードである「容積率」。さすがに容積率を知らずに不動産に関わっている人はいないでしょう。

土地の利用に一定の制限を設けることによって、建築物同士のバランスや市街地における環境保全を図る事が容積率の主な目的です。土地の利用を無制限に認めてしまうと、構造上可能な限りの高層建築物がバンバン造られる恐れがあります。その方が不動産ビジネスとしては儲かるからです。

例えば、

  • 容積率⇒3階建てまでしかダメ
  • 構造上⇒10階建てまで可能

の場合、もし可能であれば構造上可能な10階建ての賃貸マンションを建てたくなります。単純に考えても賃料収入が3倍以上になりますので。。。しかし、それを認めてしまうと、ありとあらゆる場所が高層マンションだらけになってしまいます。容積率で土地の利用に制限を設ける必要があるのです。

皆さんが毎日目にしているほとんどの建築物は、容積率の上限いっぱいまで消化されて建てられています。「売れる面積」「貸せる面積」は広ければ広い程、儲かります。容積率を消化しない手はないのです。売り物件の物件概要書を見るとよく分かります。延べ床面積が容積率の上限面積と数㎡しか変わらないことがほとんどです。それだけ容積率というものは重要なのです。不動産ビジネスの成否を決めるものと言っても過言ではありません。


容積率に関しては、もう一歩踏み込んだ議論が必要です。それは”容積率の緩和”です。国としても容積率に関しては厳格に運用しています。容積率がオーバーしている物件は「違法物件」や「既存不適格物件」として扱われます。2つとも難しい言葉ですが、カンタンに言えば買いづらく売りづらい物件です。

しかし、特定の状況において特定の要件を満たした場合にのみ”容積率の緩和“が認められています。この容積率の緩和は非常に重要な知識です。覚えておく必要はありませんが、頭の片隅には置いておきましょう。今回はその容積率の緩和の代表とも言える3つをご紹介します。

住居系マンションにおける容積率算定面積への不算入

上記のタイトルをよく見てください。「容積率算定面積」と記載しています。「延べ床面積」とは記載していませんのでご注意を。容積率算定面積延べ床面積は異なります。下記に列挙するものは、容積率を算定するための床面積からは除外されますが、延べ床面積には算入されます

  • 共用廊下
  • 共用階段
  • エントランス及びエレベーターホール(エレベーター自体は算入)
  • バルコニー(2mを超える部分は算入)

不動産投資の観点から考えると、上記の面積は”売れる面積””貸せる面積”というよりは”共同住宅において必要不可欠な面積”なので容積率算入面積からの除外は非常に助かります。仮にもしこれらの面積が容積率の対象面積だとしたら、どうなると思いますか。売れない・貸せない面積である共用部分は、出来る限り小さく狭く済ませようとするでしょう。ビックリするほど狭い共用廊下や階段、恐ろしいほどショボいエントランスが作られるようになるでしょう。それほど、容積率は重要なのです。

あくまで住居系限定なので、もし同様の考え方でオフィスビルや商業施設を建築した場合には容積率オーバーとなります。新築の場合にそのような凡ミスを犯すような設計士さんはまずいないですが。問題は今はやりの「コンバージョン(用途変更)物件」です。賃貸マンションをコンバージョンしてオフィスやホテルなどの他の用途として利用する場合には、注意が必要です。マンションでは容積率算定面積不算入だとしても、他の用途ではバッチリ容積率に算定される面積になりますので。。。

余談ですが、一般の住居において、

  • 駐車場及び駐輪場(延べ床面積の1/5まで)
  • 住居の用途として利用する地階(延べ床面積の1/3まで)※

※:地盤面から地階の天井が1m以下である事も必要です

これら2つも容積率算定面積へは算入されません。この2つは”売れる面積”であり”貸せる面積”です。なので超積極的に利用しなければもったいないです。

総合設計制度

総合設計制度とは「公開空地を設けてくれたら容積率などの制限を緩和してあげますよ」というボーナス制度です。公開空地とは誰でも自由に利用できるオープンスペースの事です。都心の超高層ビル群の一角に緑の多いちょっとした公園のような場所、見たことありませんか。タワーマンションの下にもよくあると思います。これらは基本的に公開空地であると考えて頂いて構いません。

ではなぜこのような制度が出来たのか。それは「市街地の環境の整備改善」の為です。市街地では、土地不足から建物同士が必然的に密着して建築されます。ちょっとした空き地やスペースを設けるような余裕はありません。このような状況を改善するために総合設計制度が設定されました。自主的にオープンスペースを設けてくれるように“空地”と”容積率などの緩和”の交換」を制度化したのです。「容積率などを緩和してくれるのであれば、空地を設けても良いかな」という事業主は多く、総合設計制度により公開空地は増加しました。

容積率に限って言えば、制度化当初は「基準容積率の1.5倍かつ200%増以内」で運用されていました、その後「基準容積率の2.0倍かつ400%増以内」に変更されました。これ、スゴくないですか。例えば、既存の土地の容積率が400%である場合には、公開空地を設ければ800%まで土地の面積を利用できるのです。あり得ません。この制度が適用されるのとされないのでは土地の価値が全く違うものになってしまいます。

旧耐震基準のマンションの建て替え

マンションの建替え等の円滑化に関する法律(以下「マンション建替法」)は名前のごとく、「マンションの建て替えをスムーズに行うようにするため」の法律です。耐震性が不足していると認定を受けた(要除却認定)マンションの建て替えにより新たに建築されるマンションにおいて、特定の要件を満たした場合には容積率が緩和されます。

特定の要件とは、

  • 一定規模以上の敷地面積(用途地域により異なる)
  • 市街地環境の整備・改善に資するもの
  • 特定行政庁の許可

です。要件を満たせば、容積率が従前のものよりも最大で1.5倍になります。前述した「総合設計制度」が基準にあります。あくまで「最大で1.5倍」なのでご注意ください。

この制度の背景には「旧耐震基準で建築されたマンションの建て替え促進」が存在します。2018年現在、我が国においては約600万戸のマンションストックがあると言われていますが、そのうちの約106万戸は旧耐震基準のもとで建てられているのです。それらの多くは耐震性が不足していますので、早急な対策が必要です。巨大地震の発生に備えなければいけません。建て替えることにメリットを設け、自主的な建て替えを促している制度と言えるでしょう。

上記3つが容積率の緩和の代表例です。専門的で複雑な話になりますので、流して読んでいただく程度で構いません。覚えて頂きたいことは「容積率が緩和される場合がある」という事です。この点だけは頭に入れておいてください。

容積率は不動産のキホン中のキホンです。「分かりません」では済みません。私が売りに出ている土地の紹介を受けた場合には、まず容積率を調べます。容積率からその土地のポテンシャルを逆算するのです。不動産投資の成否を決める要因の1つなのです。

最後までお読み頂きしてありがとうございました。

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