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2018.04.25   2020.07.12

はっ???不動産がオルタナティブ投資の対象???

オルタナティブ投資

今回の話は若干難しいです。難しい話が苦手な方は大変申し訳ございませんが、別の記事をお読みください。途中で何を言っているのか分からなくなる可能性もあります。それはコチラ。

オルタナティブ投資

これはヤバいのが登場しました。生涯で会う事の無い言葉と言っても過言ではありません。かく言う私も10年振り位にこの言葉を発しました。”オルタナティブ“は”代替の、二者択一の“という意味です。ですので、オルタナティブ投資を直訳すれば「代替投資」となります。「はっ???」となりますよね。全くピンとこないその気持ち、よく分かります。「何かにとって代わる投資なのだろう」という予想はつきますが、それだけです。。。

ガンバって調べてみたところ、「何かにとって代わる=伝統的な資産にとって代わる」という意味のようです。さらにヤバい状況になりつつあります。伝統的資産て何…

危うく挫折しそうになりましたが、渾身の力を振り絞って調べてみました。その結果、伝統的な資産とは上場株式債券などを表す、という事まで分かりました。ここまでの話をまとめると、

オルタナティブ投資=上場株式や債券以外への投資

という事までは分かりました。そして、オルタナティブ投資の対象に不動産も入っているのです。ここで1つのギモンが生じます。「だから何なんだ!?」というギモンです。「株や債券に投資せずに不動産に投資する、勝手にやってくれ!」と言いたくなる気持ちも分かります。しかし、ここにはちゃんとした理由が存在するのです。株や債券ではなく、不動産に投資をする理由が。

その理由はリスク分散です。一般的な投資におけるリスク分散は、複数の資産への投資の事を言います。「○○株式と△△株式と□□債権と◇◇債権に投資」これがリスク分散の一般的なイメージだと思いますが、現代の投資においてはこれだけでは不十分なのです。なぜなのか。それは、株式と債券の間には価格変動に相関性があるからです。言い換えれば「株式が高ければ債権も高い、株式が低ければ債権も低い」という事になりますが、これだとリスク分散の効果が非常に限定的であると言わざるを得ません。

インターネットの登場によって世界各国の株式市場・債券市場の連動性が高まったことが1つの原因と言えます。今後は株式や債券とは異なる値動きをする資産への投資が必要になるのです。。そして、「異なる値動きをする資産に分散投資をする」事こそが、リスク分散でありリスクヘッジなのです。繰り返しますが、この「伝統的な資産とは異なる値動きをする資産への投資」がオルタナティブ投資であり、そのオルタナティブ投資における対象資産の1つが不動産なのです。

その他にも、コモディティ(金、原油、穀物などの商品)ヘッジファンドベンチャーキャピタルなどがオルタナティブ投資の対象となります。

不動産の中でも上場RIETはオルタナティブ投資の対象資産ではない

オルタナティブ投資の対象資産は「上場株式や債券とは異なる値動きをする資産」です。ですので、上場REITはオルタナティブ投資の対象資産ではありません。むしろ「上場株式=上場REIT」と捉えたほうが良いでしょう。両者の間には値動きに連動性が見られますので。

もちろん、実物不動産への投資はオルタナティブ投資の対象資産です。全国各地に「〇〇生命ビル」と名の付いたオフィスビルが多数ありますが、これが実物不動産への投資の好例です。かなり年季の入っている古いビルも多いですね。生命保険会社は昔からオルタナティブ投資に取り組んできているという事が出来るでしょう。もちろん、生命保険会社は伝統的資産にもバリバリ投資をしていますが。

また、私募リートへの投資もオルタナティブ投資の1つです。

何だ?「私募リート」って?密かに募集しているリートなのか?

私募リートは2010年に野村不動産によってはじめて組成されました。2018年現在では、20以上の私募リートが運用されています。この私募リートへの投資が、機関投資家の間で大人気なのです。「上場REITよりも人気がある」というアンケート結果もあるほどです。”オルタナティブ投資の資産として上場REITが対象にならないので、私募リートに投資をしている”という事が良く分かるアンケート結果だと思います。

市場低迷時にも利益を上げられることが重要

例えば、コモディティ(商品)資産の代表格は「金(ゴールド)」ですが、有事に強い資産として有名です。テロや世界的な金融収縮局面において、株式や債券の価格が低迷しても金の価格は上昇するという事が多々あります。オルタナティブ投資の対象資産としての役割を十二分に発揮します。価格連動性がほとんど見られませんので。

実物不動産への投資も、基本的には市場や景気の影響は受けません。もちろん、リーマンショックのような異常事態が発生してしまった場合は別に考える必要があります。また、実物不動産自体の価格は、景気の影響を少なからず受けます。しかし、実物不動産から得られる”賃料収入”は市場や景気の影響を受けません。とても安定しています。”株価が上がったから家賃が上がる””景気が悪いから家賃が下がる”などを経験した方はいらっしゃいますか。ほぼ皆無でしょう。

金のように市場低迷時に価格が高騰するようなことは不動産においては考えられません。しかし、市場低迷時においても不動産投資から生まれる賃料収入は安定しています。上下の振れ幅が非常に少ないです。なので、例え上場株式や債券の価格が低迷したとしても、不動産投資から生まれる収入で補う事も可能になるのです。

オルタナティブ投資は仕組みが複雑と言われているが

オルタナティブ投資として実物不動産及び不動産関連商品に投資する場合には、特に複雑であるとは感じません。実物不動産に投資をする場合には、普通の不動産経営と同じです。物件を購入し、賃貸収入を得、然るべき時期に売却する、というごく単純なスキームです。

私募リートに投資する場合には確かに少し複雑です。投資法人の発行する「投資口」を購入することによって、間接的に実物不動産に投資をすることになります。不動産に投資するというよりは「実物不動産で投資をする事をプロにお願いする」と言った方が正しいのかもしれません。しかし、複雑な金融工学の知識であるとか登場人物が何十人もいるとかはありません。不動産運用のプロに資産の運用をお願いするだけです。

私募リートも上場REIT同様、投資物件の詳細情報を開示しています。もし、私募リートが投資物件の情報を開示せず利回りのみを提示するような投資商品である場合には、複雑であり透明性を欠いていると言えます。しかし、現状ではそんなことはありません。投資物件の詳細から投資戦略、投資体制まで開示してくれますので、複雑であるという批判は当たらないのではないでしょうか。

今回は難しい話に終始してしまいました。。。私も記事を書きながら悲しい気持ちになってきました。もっと分かりやすい記事を書くことを心掛けねば。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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