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2018.04.30   2020.06.15

コンビニ跡地の再利用方法が多種多様でオモシロい!

コンビニ跡地の再利用方法

コンビニ大手の「セブンイレブン」「ファミリーマート」「ローソン」の店舗数の合計は約5万店舗です。その大まかな内訳は、

  • セブンイレブン:1.9万店舗
  • ファミリーマート:1.8万店舗
  • ローソン:1.3万店舗

となっています。日本にあるスーパーマーケットの店舗数が約2万店舗なので、コンビニの店舗数がいかに圧倒的であるのかが分かります。その圧倒的な店舗数と豊富な品揃えが日本国民にもたらしてくれるメリットは計り知れません。なくてはならないインフラと言っても過言ではないでしょう。

しかし、そんなコンビニも最近、空き店舗が目立つようになってきました。熊本の郊外では特にその傾向が顕著です。郊外でも街中の店舗はまだしも、ロードサイド型の店舗の立地によっては私の目から見ても厳しいように思えます。コンビニ全盛期の際に大量に出店したことにより、出店が過剰になってしまったことが原因であることは明白です。コンビニ間の出店競争も然りですが。。。

そんなコンビニ跡地、場所によっては様々な形で再利用されています。コンビニの土地建物は地主さんの所有になっていることが多いです。地主さんがコンビニのオーナーになっていることもありますが、土地建物のオーナーとコンビニの経営者が異なっていることも多いです。いずれにしても、コンビニが退店したら他の利用方法を探さなければいけません。「他のコンビニを誘致する」のか「他業種のテナントを誘致する」のか「売却する」のか。空き店舗になった途端収入ゼロです。資金に余裕があるのであればよいですが、そのような恵まれた環境にある方のほうが少ないでしょう。融資などを受けていたら、さらに深刻です。生活に直結する大問題です。再利用しなければいけないのです。

しかし、何だかんだ言っても”天下のコンビニ様”の跡地です。調査に調査を重ねた上で出店しているはずです。「他のコンビニが近隣に出店した」「新たな道路が近くに出来てしまった」など、出店当初には予想が出来なかった要因により撤退してしまった場合も多々あると思います。が、立地は間違いない場合がほとんどです。そして、その他にもコンビニ跡地には下記のようなメリットがあります。

  • 大規模な駐車場
  • 間口が広い
  • 視認性が良い
  • ガラスをふんだんに使用しているので開放感がある
  • 間仕切りの無いワンフロアなので使いやすい

もちろん、なかには「本当にここで良いんですか?」と店舗開発の担当者の技量を疑いたくなるような立地のコンビニもあります。多分お偉いさんから「○○地区で○○店舗出店しろ!」という厳命が下されているのでしょうが、そのような立地の店舗は十中八九退店してますね。

空いたままの店舗も多数ありますが、熊本でよく見るのが「整骨院」や「マッサージ店」での再利用です。”30分2,980円”を謳っているマッサージ店は勢いがありますね。少し厳しめのコンビニ跡地にも出店しています。ロードサイドの店舗の場合には車を何十台も停められる大規模な駐車スペースがありますので、駐車場確保に困ることはありません。間仕切りを設置するだけで、マッサージスペースの出来上がりです。

先日、熊本の田んぼ道を走っていたらポツンとコンビニの跡地がありました。既に再利用されていましたが、そこは大きな駐車場を活かし運送会社のトラックの車両基地となっていました。建物の再利用というよりは、大きな駐車場をメインとした再利用方法です。もちろん、建物もカンタンな事務所兼荷物置き場として利用されています。この跡地、そもそもの立地が非常に微妙でした。〇ァミリーマートさんが出店していたと記憶しています。「どのような勝算があってここに出店したのか?」とずっとギモンでしたが、計算間違えをしただけだったようです。

新聞配達の拠点としての再利用も見かけたことがあります。新聞配達用のバイクや自転車が多数停まっていました。どこの新聞かは忘れましたが、配達用のバイクや自転車が店舗の周りを覆いつくしている景色は壮観でした。早朝と夕方前にここから幾多の配達員の方々が出発されるのです。その風景も一度見てみたいですね。

デイサービスとしての再利用も多いですね。基本的に送迎が必要な業態なので、広々とした駐車場はまさに”うってつけ”です。高齢化社会を迎える日本にとっては、今後間違いなく伸びていく業態です。様々な場所に立地しているコンビニ跡地は、デイサービスなどの高齢者を対象としたビジネスにはピッタリです。コンビニ跡地再利用の王者になる資格は十二分にあります。

しかし、ネット上でよく見かける「他のコンビニとして再利用」は私は見たことはありません。コンビニも時代と共に変化してきました。「今までより大きな店舗面積」「今までより多くの駐車場台数の確保」がコンビニの基本設計となっていったはずです。そのような流れにおいて、一昔前の設計であるコンビニの跡地に他のコンビニが出店するとは思えません。もちろん、ファミリーマートがココストアを買収しココストアの店舗が全てファミリーマートになったのは熊本でも多数見ましたが、これは別の問題です。ファミリーマートとしても仕方なくそうしたのでしょう。

コンビニ跡地の再利用を見るのは結構オモシロいです。「なるほど」と思う方法や「そうきたか!」と思う方法まで様々です。私は熊本において「飲食店」としての再利用を見たことがありません。他の地域ではパン屋さんであるとかお弁当屋さんであるとかを聞いたことがあります。たまには普段通らない道を通ってみるのも良いのかもしれませんね。

コンビニ跡地の再利用は今後の日本にとって重要な問題です。人口減少局面の日本において、コンビニは間違いなく減少し始めるでしょう。また、日本では既に”人手不足”が顕在化しています。コンビニも例外ではありません。コンビニのトイレで用を足す時に目につくのは「アルバイト募集」の張り紙です。トイレ利用者にも「うちのコンビニで働きませんか?」アピールをしなければいけない状況なのです。深刻です。おちおち用を足すことも出来ません。。。

ここまで述べてきたコンビニ跡地の再利用、とても重要な問題ですが1つだけ気がかりなことがあります。それはどのように再利用されているのかは別として「ここ、昔コンビニだったな」とすぐに分かってしまう事です。基本的な建物の造りはどこも一緒という事なのですが、何となく残念です。その事に気付いた瞬間に「あーぁ…」と落胆する私が居ます。

私のただの自己満に過ぎませんが、コンビニを再利用される方はぜひ「コンビニの跡地」感を払拭するような形での再利用をお願いします。極力お金のかからない方法で。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。


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