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2017.12.09   2020.07.12

「雇用の創出」「賃金格差の是正」こそが真の空き家対策だ!(と思う)

空き家の放置

日本で日々増加し続けている「空き家」。総務省による「住宅・土地統計調査」によれば2013年の空き家の数は820万戸にのぼると言われています。2017年の現在においては、恐らく空き家の数は1,000万戸の近くまで増加しているでしょう。とても深刻な状況です。

 

出典:国土交通省「空き家等の現状について

 

但し国も傍観している訳ではありません。2014年に「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空家対策特別措置法)」が制定されました。この法律の制定は国が積極的に空き家対策に乗り出すという意思表示でもあります。

 

出典:NPO法人空家・空地管理センター「空き家対策特別措置法とは

 

空き家対策特別措置法に関する詳細な内容の説明は省きますが、ようは「空き家をしっかり管理してください。そうしないと不利益が生じますよ」ということを法律は制定しています。具体的には、助言や指導などに応じず空き家を放っておいた場合「特定空家」に指定され、以後は固定資産税の優遇措置が適用されなくなるなどです(※)。

 

※「固定資産税の住宅用地の特例」とは、住宅の建つ土地のおいては固定資産税の負担が最大で1/6に軽減されるというものです。もちろん他の要件も満たす必要がありますのでご注意ください。

 

 

確かに空き家対策特別措置法により空き家は減少するかもしれませんが、そもそも空き家が増加した理由は「その住宅に住む必要が無くなったから」です。ではなぜその住宅に住む必要が無くなったのか。それは「そこに仕事が無い」からであり「そこは給料が安い」からです。

 

 

1970年代の高度経済成長期には様々な企業が地方に進出し、工場や倉庫を建設しました。工場や倉庫ができればそれに伴い雇用がうまれます。働く場所があるのであれば自然とその周りには住宅の需要が発生します。そして併せて商業の需要も発生するのです。このように雇用に向かって人々は動いていくのです。

 

 

しかし、インターネットの登場により経済活動がグローバル化しました、その結果としてより効率的な経営を求められるようになったのです。企業内の支店の統廃合はもちろんの事、工場や倉庫などの統廃合も進みました。企業同士の合併も進み、必要のない事業所は閉鎖されたのです。

 

 

つまり雇用が無くなってしまったのです。雇用が無くなれば人は雇用に向けて動き出します。人が雇用のある東京に向かうのは自然は流れです。大阪・名古屋に向かうのも然り。

また雇用があったとしても東京と地方では最低賃金に格差があります。おおよそ200円も違います。東京と地方ではもちろん物価は異なりますが、やはり人はより良い賃金を求めて都市部へ移っていくのです。

 

 

なぜこのような話をしたかと言えば、雇用の無い場所に人は寄り付くはずがないのに「空き家対策特別措置法」によって「空き家をしっかり管理しなさい」などということ自体に無理があるのではないか、と感じたからです。空き家の所有者も好きで空き家のまま放置している訳ではなく、「雇用が無い」「賃金が安い」という理由で仕方なく他の土地へ移っているのではないでしょうか。

 

 

親から相続した地方の住居などは良い例だと思います。親の代は雇用があったからその場所で良かったが、子の代になるとその場所に雇用が無くなっていた。だから都市部に移り住んだ。そして相続したら必然的に空き家になってしまった。人の動きが全て雇用を中心に回っている事が分かります。

 

 

空き家対策における危険な空き家を放置している所有者への制裁は消極的な対策に思えてなりません。より積極的に空き家を解決する手段、すなわち地方における雇用の活性化へ向けた施策を講じるべきです。

 

 

地方には都心部では味わえない自然や名所などがたくさんあります。「観光立国Nippon」をこれまで以上に全面に押し出すべきです。押し出し過ぎてところてんみたいに分裂しないようにだけ気を付ければ問題ありません。

 

 

久しぶりにマジメな話をして疲れました…

最後までお読みいただきましてありがとうございました。

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