借地権を第三者に対抗するためには、借地権の登記が必要です
しかし、借地権は登記することはできますが、登記する義務はありません。
そこで、借地上に借地人名義で登記された建物がある場合、借地権を第三者に対抗することができます。
念のため断っておきますが、上記は日本語です。自らの借地権を当事者以外の第三者に主張するための重要な事を書いたのですが、よく分からない文章になってしまいました。これは翻訳しなければ親切ではありません。私は今、使命感で溢れています。
という事で、私の事を最後の頼みの綱と見なしてくださっている皆々様方の為に今から翻訳します。赤文字の部分を日本語すればダイジョウブですよね。黒字の部分も「分からない」という方がいたら、別の方を頼ってください。私の専門外ですので。。。
目次
1.登記とは
そもそも「登記」というものが何か分からなければ話になりません。まずは登記の説明から。
登記(とうき)とは日本の行政上の仕組みのひとつであり、個人・法人・動産・不動産・物件・債権など実体法上の重要な権利や義務を、不動産登記法や商業登記法などの手続法により保護するとともに、円滑な取引を実現する、法の支配並びに法治国家を支える法制度の一つである。
出典元:Wikipedia「登記」
あらら、また日本語のはずなのに日本語じゃない日本語の登場です。簡単に言い換えると、
重要な権利や義務を誰でも見れるように国が管理している制度
これにより取引が円滑になり、なおかつ安心して行える
そして次が重要です。自らの権利を登記すれば、
契約当事者でない第三者にも自らの権利を主張することができる
のです。これを「登記の対抗力」を言います。不動産の世界では極めて重要なポイントです。このことは絶対に覚えておいてください。
逆に言えば、登記をしなければ自らの権利を第三者に主張することができません。泣きを見ることもあり得るということです。「不動産買ったら速攻登記」です。
なお、契約の相手方に自らの権利を主張するためには登記は不要です。自分で権利を譲渡する契約しておきながら「お前に権利はない!」などとふざけたことを言う人がいたら、早急に行政のお世話になった方が良いでしょう。
今回の場合では、借地権を地主さんに主張するためには登記は必要ありません。地主さんと借地権者さんが契約の当事者ですので当然です。
2.「借地権は登記できるが登記する義務はない」とはどういうことか
言葉がややこしいですね。不動産もそうなのですが、もう少し分かりやすい言葉を使わないと大多数の方が嫌悪感を覚えてしまうのではないでしょうか。
Question
賃借権は登記できるのか。
Answer
賃借権は登記できます。
民法第605条
不動産の賃貸借は、これを登記したときは、その後その不動産のついて物件を取得した者に対しても、その効力を生ずる。
民法が賃借権自体の登記を法律で認めています。
しかし、しかしです。裁判所が過去にだした判決の中で(これを「判例」と言います)、
当事者間で特約のない限り賃借人は賃貸人に対して登記を請求することはできない
というものがあるのです。「はっ、何言ってんの???」って感じですよね。要するに
登記〇(民法)
登記請求権×(判例)
という事ですので、最終的には「借地権を登記することは難しい」という結論になります。登記請求権が否定された判例には少し特殊な事情があるようですが、現在は上記の考え方が一般的です。
もう一度まとめて言うと、
「登記請求権は民法上認められているが、登記請求権に応じる義務はないので、最終的には借地権の登記をすることは難しい」という結論になります。正直、理解する必要はないと思います。「賃借権の登記は×」覚えておいて頂ければ良いのではないでしょうか。
3.「借地上に借地人名義で登記された建物がある」とはどういう状況か
「借地上に建物が存在している事」「その建物に借地人名義の登記がされている事」の2つの要件に分けられます。
3-1.借地上に建物が存在している事
文言そのままです。借地上に建物が存在していることが最初の要件です。
Question
借地上の建物がなくなってしまった場合はどうなるのか。
ex.再建築で解体した、火事で滅失した
Answer
原則:建物の登記がなされていてもその登記は無効になります。第三者に対抗できません。
例外:借地権者が、
①滅失した建物を特定するための必要事項
②建物滅失日
③新たに建物を建築する旨
を記載した案内板を借地上に掲示することで、建物滅失日から2年間は借地権を第三者に対抗することができます。
例えばこのような掲示です。
3-2.その建物に借地人名義の登記がされている事
こちらも文言そのままです。
借地の名義人=建物の名義人が次の要件です。
Question
借地権者と建物の登記名義人が異なる場合はどうなるのか。
ex.借地人名義は父親、建物の登記名義人は子供
Answer
借地権は対抗力を失いますので、第三者に対抗することができなくなります。
第三者に対抗できないどころか、地主さんの承諾を得ていない場合には「無断転貸」や「無断譲渡」を理由として借地契約自体を解除される可能性もあります。
知らなかったではすまされませんので、十分にご注意ください。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
最後になりましたが、一番最初の超難解な文章を小学校4年生でもわかるような言葉で説明します。
君がお友達から借りている地面を見知らぬオジさんに「僕が借りてるんだ!」というには、法務局という場所に行ってそこで働いているお兄さんお姉さんに「僕の借りている土地を登録してください!」と言わなければいけません。
でも、借りている土地を登録することはできる規則になっているのですが、貸してくれているお友達に「登録するから手伝って!」という事はできません。
でもダイジョウブ。お友達が手伝ってくれなくても良い方法があります。
お友達から借りている地面の上に建っている君の豪邸(推定:〇〇億円)を法務局に行って君の名前で登録してください。そうすればどんなオジさんが来ようがお友達から借りている土地を「僕が借りてるんだ!」といってOKです。
本日も最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。