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2018.04.14  

フラット35ってどういう仕組みなの?

フラット35の仕組み

住宅ローンを組んだことのない(組むつもりもない)私でも聞いたことがある”フラット35”。住宅ローンの一種であるという事は以前から知っていました。「住宅ローンの一種であるという事以外は知りませんでした」と言った方がよいかもしれません。その内容に関してはチンプンカンプンでした。なので少し勉強をしてみました。

フラット35とは住宅金融支援機構(以下「機構」)が提供している住宅ローンです。ちなみに機構は独立行政法人なので、国の機関である省庁などからは独立した組織です。しかし、主な業務は公共性の高いものがほとんどです。そのため、名目上は”独立”となっていますが、経営計画の策定や実際の業務のチェックなどは主務官庁が担います。実質的には国の機関であると言っても過言ではないでしょう。

最初から難しい話になってしまいましたが、”フラット35は実質的には国が提供している住宅ローン”と見なすことが出来る、という事が言いたかったのです。フラット35の特徴である「全期間固定金利」は国がバックにいるからこそ提供が可能な住宅ローンとみなすことが出来ます。この”全期間固定金利”を利用すれば、借入の時に借入金利と全返済額が確定するのです。住宅ローンだけでなく抜群の安心感を提供してくれるのが”フラット35”です。皆さんもどうぞ安心して最寄りの金融機関でフラット35をお借りください

皆さん、気付きましたか。私、今、重要な事言いました。文章がカタコトになってしまいましたが、そこはスルーしてください。「最寄りの金融機関でフラット35をお借りください」と言ったのです。機構が提供しているフラット35を最寄りの金融機関で借りるとはどう事なのでしょうか。

フラット35は機構と民間金融機関が提携することによって初めて実現される住宅ローンなのです。端的に言えば、機構は”メーカー”であり民間金融機関は”販売代理店”です。「フラット35という住宅ローンを作りましたので、皆さん売ってくださいね!」というイメージです。トヨタ自動車さんが作った自動車を福岡トヨタさん、熊本トヨタさんなどの販売代理店さんが販売するのと同じですね。

もちろん、販売してもらうだけではなくその後の元金や金利の回収業務その他の債務者との調整業務も民間金融機関に委託をしています。先ほどのトヨタさんの例で言えば「メンテナンス業務」のようなものでしょうか。機構から民間金融機関に報酬を支払ったうえで、多様な業務をお願いしています。


民間金融機関としても、自社の住宅ローン商品の他にフラット35を販売できることは大きなメリットです。より多くの住宅ローン商品があれば、その分お客様への提案の幅が広がりますので。何と言っても「全期間固定金利」ですから。

国から独立してはいるものの、最終的には国のチェックが入る実質的に国の機関である機構。この機構が提供するフラット35の原資は何なのでしょうか。普通に考えたら「税金」になりそうです。国の予算なんて基本的には税金しか無いのですから。しかし、ご安心ください。フラット35の原資は税金ではありません

今から少し難しい話をしますので、ご了承を。

まず、窓口である民間金融機関が販売したフラット35の債権は融資と同時に機構に譲渡されます。フラット35を提供しているのは機構であるのに、民間金融機関から「債権を譲渡」というのは少し違和感を覚えますが。。。この譲渡のタイミングでは民間金融機関と機構の間でお金のやり取りはありません。あくまで「債権が譲渡」されるだけです。

このフラット35の債権に対しては、債務者から毎月元金と金利が返済されます。つまり、”フラット35が1つの投資商品”となっているのです。不動産投資に置き換えてみましょう。賃貸マンションを所有していれば毎月”賃料”が入ってきます。それと同様にフラット35の債権を持っていれば毎月”元金と金利”が入ってきます。同じ理屈ですね。

機構はこの債権を投資家に”投資商品”として販売するのです。とてつもなく難しい言い方をすれば、

「フラット35の債権を信託銀行に担保目的で信託し、住宅金融支援機構債券を発行し(資産担保証券:MBS)この住宅金融支援機構債券を投資家に販売する」

となります。ここはスルーしていただいて構いません。

参照:住宅金融支援機構「【フラット35】の仕組みについて」

債権を投資家に販売すれば、機構に債権の販売代金が入ってきます。この販売代金はどうなるでしょう。「販売代金がどうなるでしょう?」という質問自体に違和感を覚えますが、機構の利益になるのでしょうか。

違いますよね。この販売代金は、先ほどお金ももらわずに「債権を譲渡」してくれた民間金融機関に債権譲渡の代金として支払われるのです。

長くなりましたが、フラット35の融資原資は「投資家に販売した債権の代金」になります。投資家のお金が回りまわってフラット35の原資になっているとは驚きですよね。民間金融機関の住宅ローンの原資も皆さんの預金などが利用されていますので、「直接住宅ローンに関係の無い人のお金が住宅ローンに利用されている」という事はよく考えれば普通の事なのかもしれません。


先ほども述べましたが、フラット35の原資は「投資家へ債権譲渡したことによる販売代金」です。そして、この販売代金をフラット35の融資を行った民間金融機関が受け取ることによってフラット35の制度は成り立っているのです。

ここで1つのギモンが生じます。「住宅金融支援機構さん、いなくても成り立つんじゃない?」というギモンです。

よくよく考えると、「住宅金融支援機構さんが居なくても成り立つ論」は一理あります。機構さんは”仲介人”としての役割がメインです。債権を信託銀行に担保して販売するなどの重要な業務もありますが、別に機構さんが居なくても民間金融機関さんであれば対応可能な業務です。

しかし、ここでアレが登場します。”35年固定金利”です。国の力が無ければ35年固定金利など存在しえないでしょう。リスクが大きすぎて民間金融機関には提供できません。フラット35の使命は国民に住宅を所有させる事です。「マイホームは欲しいが変動金利は不安」「民間金融機関は融資が下りない」という声によってフラット35は制度化されました。住宅金融支援機構があるからこその「35年固定金利」なのです。

「住宅金融支援機構はいなくてもよいのでは?」などと言ってしまい、申し訳ございません。フラット35は、機構さんが居るからこその35年固定金利なのです。これからも国民のマイホーム購入に役立ってくれることを期待しています。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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