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2018.01.28   2020.07.12

【必読】マイホーム購入時に必要になる4種類の税金のお話

マイホーム購入時に必要な税金

マイホームを購入した時には、色々な税金を支払う必要があります。具体的には下記4つの税金が必要になります。これらの税金を普通に支払った場合には結構な金額になります。数十万円程度の支払いは当たり前であり、物件の価格によっては100万円を超えることも十分に考えられます。これほど高額な支払いをいきなり求められたら大変ですよね。間違いなく私にはdifficultな支払いです。

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 消費税

しかし、その点は国も理解してくれています。税金の種類によっては軽減措置を設けてくれています。そこで今回は、それぞれの税金の原則とその例外である軽減措置についてまとめてみました。マイホームの購入を検討されている方はぜひご一読ください。

1.印紙税(国税)

国によって定められた文書には印紙を購入し貼り付ける必要があります。この印紙を購入し貼り付けることが、回りまわって印紙税を支払う事になっているのです。正直に言わせていただくと、印紙税が必要な理由が私には分かりません。そもそ日本では、契約は両者の合意により成立する「諾成契約(ダクセイケイヤク)」が原則です。ですので極端な事を言えば、契約書などの文書が無くても契約は成立します。もちろん、契約書として様々な事項を規定しておけば後日トラブルが起こったとしても解決が容易になりますので、特に金銭のやり取りが発生する場合には契約書を締結しておくことをおススメします。

マイホームを購入する際に必要となる文書(契約書)は、

  • 不動産売買契約書
  • 工事請負契約書
  • 金銭消費貸借契約書

です。それぞれの契約書の特徴と印紙税の具体例を挙げると、

契約書区分 契約書の特徴 標準税額 軽減税額
不動産売買
契約書
不動産の売買に使用する契約書 1,000万円超5,000万円以下:2万円
5,000万円超1億円以下:6万円
1万円
3万円
工事請負
契約書
主に注文住宅の場合に締結される契約書 同上 同上
金銭消費貸借
契約書
住宅ローンを利用する場合に
金融機関と締結する契約書
同上 同上

※軽減税額が適用されるのは、平成30年3月31日までです。

マイホームが1,000万円~1億円以下で購入できると仮定した場合、印紙税額は1つの契約書当たり2万円、若しくは6万円になります。ですので、マイホームを購入した場合の印紙税の総額は、一般的に数万円から十数万円になります。印紙税が必要な契約書の数によって印紙税額は異なってきますのでご注意ください。

2.登録免許税(国税)

マイホームの購入した場合、次に行われるのは物件の引き渡しです。その物件の引き渡しのタイミングと同時に法務局でマイホームの所有権の登記をする必要があります。登記をしないと契約当事者以外の第三者にマイホームの所有権が自分にある事を公的に主張できません。不動産の取引において登記は非常に重要な意味があります。十分にご注意ください。

この登記を行う際に法務局に納付する必要がある費用が登録免許税です。通常、登記は司法書士さんにお願いすることがほとんどですので、司法書士費用などと一緒に登録免許税額を司法書士さんにお支払いするのが一般的です。私も自ら法務局に行って登録免許税を支払ったことは一度もありません。

登録免許税額の計算式

登録免許税額=課税標準額×税率

登録免許税においては軽減税率が設定されています。

登記区分 登記の特徴 標準税率 軽減税率
所有権
保存登記
主に新築住宅の登記 0.4% 建物のみ:0.15%
所有権
移転登記
主に中古住宅の登記 2.0% 土地:1.5%(平成31年3月31日まで)
建物:0.3%(平成32年3月31日まで)
抵当権
設定登記
住宅ローンを利用する場合に
物件に設定する登記
0.4% 建物のみ:0.1%

※建物においては、一定の要件を満たす住宅用家屋である場合に限り軽減税率が適用されます。

登録免許税額はマイホームの売買価格を基に計算するのではありません。市区町村が管理している固定資産課税台帳に登録されている価格(課税標準額)を基に計算します。新築の建物の場合には固定資産課税台帳に価格が登録されていませんので、法務局毎に定められた「新築建物課税標準価格認定認定基準表」を基に課税標準額が決定されます。固定資産課税台帳に価格が登録されていない土地がありますが、その場合には近隣の類似土地を参考にして課税標準額が設定されます。

また、抵当権設定登記の場合には債権金額(借入金額)が課税標準額となります。

3.不動産取得税(地方税)

不動産取得税とはその名の通り不動産を取得した際に支払う必要のある税金です。不動産を取得した際に1度だけ支払う必要があります。

不動産取得税額の計算式

不動産取得税額=課税標準額×税率

平成30年3月31日までは、特例として税率及び土地の課税標準額が下記のようになります。この特例は軽減措置とは別の制度であるので、不動産を取得した場合には自動的に適用されます。

税率

土地建物区分 標準税率 特例税率
住宅用土地 4% 3%
住宅用建物 4% 3%
住宅以外土地 4% 3%
住宅以外建物 4%

※「住宅以外」とは、例えば店舗や事務所等の事です。

土地の課税標準額

1/2になります。

軽減制度

以下の軽減制度の適用を受けるためには申告が必要になります。上記特例とは異なりますのでご注意ください。

土地における軽減制度

住宅用の土地を取得し、その土地及びその土地の取得が一定の要件を満たす場合においては不動産取得税額から一定の金額が軽減されます。もう少し詳細に言うと、

不動産取得税額=課税標準額×1/2×3%

上記により計算された不動産取得税額から、下記A若しくはBのいずれか大きい金額が減額されます。

  • A=45,000円
  • B=「土地1㎡当たりの土地の価格(課税標準額)」×「住宅の床面積×2(200㎡限度)」×3%

※平成30年3月31日までは「土地1㎡当たりの土地の価格×1/2」で計算をします。

建物における軽減制度

建物に関しては主に、

  • 新築住宅
  • 長期優良住宅
  • 中古住宅

上記3つに区分した上で、それぞれに対して軽減制度が設定されています。

新築住宅において床面積が50㎡~240㎡の場合
課税標準額から1,200万円控除
※他にも満たすべき要件があります。
長期優良住宅の場合(平成21年6月4日~平成30年3月31日の取得に限る)
課税標準額から1,300万円控除
※他にも満たすべき要件があります。
中古住宅の場合
新築日 控除額
昭和29年7月1日~昭和38年12月31日 100万円
昭和39年1月1日~昭和47年12月31日 150万円
昭和48年1月1日~昭和50年12月31日 230万円
昭和51年1月1日~昭和56年6月30日 350万円
昭和56年7月1日~昭和60年6月30日 420万円
昭和60年7月1日~平成元年3月31日 450万円
平成元年4月1日~平成9年3月31日 1,000万円
平成9年4月1日以降 1,200万円

※他にも満たすべき要件があります。

4.消費税(国税)

マイホームを購入する際に消費税が必要となる主なものは、

  • 建物購入代金に対する消費税
  • 工事請負代金に対する消費税
  • 仲介手数料に対する消費税

土地購入代金には消費税はかかりませんのでご注意ください。

です。この記事を書いている平成30年1月現在の消費税率は8%ですが、すでに10%に増税されることが決定しております。その後も増税される可能性は十分に考えられますのでご注意ください。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか。

繰り返しになりますが、マイホームを購入した場合に支払う必要のある税金は、

  • 印紙税
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 消費税

以上の4つになります。そして、マイホームの売買価格や課税標準額でそれぞれの税金の額が決まってきますので、購入するマイホームの売買価格や課税標準額が分かっていれば(若しくは予想がつけば)税金の額を算定することは可能です。

それぞれの税金の特徴を把握し税額を事前に計算することによって、ムリのないマイホーム購入計画を立てることが可能です。「マイホームを購入したものの税金を考えていなかった…」などでは目も当てられません。安心安全のマイホーム購入計画が立てられるよう、しっかりと勉強をしましょう。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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