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2018.02.06   2018.02.13

不動産投資で失敗しない為に「特に」知っておきたい事

不動産投資の失敗例

個人投資家による不動産投資が活況です。一時期よりは少し落ち着いた感はありますが、まだまだ不動産の価格は上昇をし続けています。日銀の金融緩和政策の恩恵が非常に大きいとは思いますが、不動産投資に関しても空前絶後の低金利が続いています。低金利はもちろんの事、自己資金なしで全ての資金をローンで賄うフルローンもちらほら耳にします。

インターネットで「不動産投資」と検索すれば、数多の不動産投資家の成功談を読むことが可能です。「賃貸収入だけで月○○万円の不労所得!」「不動産の売却で〇億円稼ぎました!」などなど。羨ましい限りです。私もその波に乗れば良かったと今更後悔しております。

しかし、ご存知でしょうか。その成功者の方々の裏にはその何倍何十倍もの「失敗者」の方々がいることを。そして、そのような失敗者の方々の情報はあまり表に出てこないのです。これが非常に問題なのです。

では何が問題なのか。それは不動産投資の良い話ばかりがクローズアップされて悪い話には蓋をしてしまう、この事が「不動産投資は成功しやすい投資だ!」という誤解を生じさせているのです。この誤解はどうにかして解消しなければいけません。

なので今回は、不動産投資に失敗された方々に特に多い失敗例を5つ取り上げてみたいと思います。「このような不動産投資をしたら失敗する可能性が高い」ものを取り上げましたので、不動産投資をされている方、若しくはこれから不動産投資を考えられている方がいらっしゃいましたら、ぜひ一読してみて下さい。

1.築20年以上のワンルームマンション

不動産投資物件によっては利回りがゆうに「10{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}」を超えるものも存在します。時に20{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}という数字も見ることがあるくらいです。特に中古で築20年以上の木造ワンルームマンション物件にこのような高利回りの物件が多いように思います。ワンルームマンションは投資金額も比較的少額なので、不動産投資の入口として非常に人気があります。

ですが、この高利回りはあくまで現在の入居率における利回りでしかありません。もちろんどの不動産投資物件においても、利回りは現状の入居率に基づいていることに代わりはありません。住人の方が絶対に退去しない賃貸住宅など存在しないのですから。

ワンルームマンション投資

しかし、ワンルームマンションはそもそも入居期間が短いのです。ワンルームマンションに住む方は1人暮らしの方がほとんどですが、1人暮らしの方は長く住まずにすぐに退去してしまうという傾向があります。ワンルームマンションの平均入居率はおおよそ2年です。賃貸借契約を更新せずに退去される方がほとんどなのです。退去後すぐに次の入居者が決まれば良いですが、なかなか決まらないことも当然あります。築年数が古くなればなるほど、次の入居者が決まりにくくなります。

空室は無収入と同じです。空室の間は利回りも何もありません。あえて利回りで表現するのであれば、利回り0{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}です。そして、入居者が入れ替わるたびに原状回復やクリーニングを行わなければなりません。これらの費用は結構な金額になることがあります。ワンルームマンションでも十数万円必要な事も…。

このように、高利回りであることだけを判断基準にすると痛い目を見ることが多々あります。むしろ「高利回り=高リスク」であるという考え方が必要であると私は考えます。

2.ファミリータイプ物件の落とし穴

ファミリータイプマンション投資

ファミリータイプのマンションへの投資も要注意です。よくあるのが、不動産投資を行う際に「投資が上手く行かない場合には家族でそこに住めばよい」という理由でファミリータイプ物件へ投資を行う場合です。確かに一見理に適っているように思えます。まずは賃貸しておいて、ダメならリフォームして自分の居住用にすれば良いのですから。

ファミリータイプのマンションは、当然ワンルームマンションよりも高額になります。大体3倍程度の価格になるのではないでしょうか。

しかし、価格は3倍でも利回りも3倍という訳にはいきません。3倍どころかワンルームマンションよりも利回りは低くなることがほとんどです。

さらに、ファミリータイプでは入居者退去後の原状回復費用やクリーニング費用がワンルームタイプに比べて高額になります。一度の退去で何十万円の費用が価格こともザラです。それまでの賃料収入が入退去の繰り返しで吹き飛んでしまう事も当然考えられます。高額なクリーニング費用を掛けたのに空室期間が長引いたら…。自分で住んだ方が家計の為になりますね。

このように、ファミリータイプ物件は取り扱いが非常に難しいのです。下手に手を出すべきではありません。

3.「表面利回り」の本当の意味

不動産投資には色々な利回りが存在します。主に登場する利回りと言えば、「表面利回り(グロス利回り)」「実質利回り(ネット利回り)」「想定利回り」の3つでしょうか。

表面利回り(グロス利回り)
年間総賃貸収入÷物件価格×100
実質利回り(ネット利回り)
(年間総賃貸収入―諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100
想定利回り(勝手な思い込み利回り
希望賃料にて満室になった場合の年間総賃貸収入÷物件価格×100

上記のようにそれぞれの利回りは大まかに定義されています。「大まかに」というのは、使う人によって利回りの意味が異なることがあるからです。決して法律などでそれぞれの利回りの意味が定義されている訳ではないのです。

それぞれの利回りの定義が異なるのですから、同じ物件でも利回り名の種類によって利回りは異なります。一般的には

  • 想定利回り>表面利回り>実質利回り

となります。投資物件の概要書などに「想定利回り」「表面利回り」の記載が多く、「実質利回り」の記載が少ないのはこの為です。物件の利回りをより大きく見せるために「想定利回り」「表面利回り」がより多く記載されているのです。

そして、ここに気を付けなければいけない落とし穴が存在しています。想定利回り表面利回りはあくまで経費が考慮されていない利回りです。経費が考慮されていない利回りから経費を差し引いた場合、利回りが一気にダウンします。2~3{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}はダウンすると思っていただいて構いません。

例えば、表面利回りが8{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}の物件があるとしましょう。単純に8{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}と聞くと、今の不動産投資相場においては間違いなく「買い」の部類に入る物件です。魅力的です。しかし、ここで一旦立ち止まる勇気が必要です。

表面利回りは経費を考慮していないので、上記物件の実質利回りは5~6%程度の落ち着きます。正直なところ、現在の相場で5~6{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}の物件は買い手がついてもおかしくはない利回りです。ところが、もしこの物件を不動産投資ローンを利用して購入する場合には、その金利分は利回りが低下すると考える必要があります。例えば、金利が4{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}の場合にはこの物件を購入したとしても期待できる利回りは「1~2{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}」に激減します。ここまできてしまうと、この物件に投資する意味は全くありません。見送るべきです。

このように利回りの意味を理解しておかないと後々大変なことになります。「3,000万円の物件で表面利回り8{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}だから、年間240万円も入ってくる!」  世の中、そんなに甘くありません。十分に気を付けましょう。

上記のような減価償却費になります。建物の構造が違うだけで減価償却費に2倍以上の差が生じてしまうのです。さらに、建物の耐用年数が短くなればなるほど 年間の減価償却費は大きくなります。

4.フルローンという誘惑

不動産投資におけるフルローンとは、不動産投資の対象物件を頭金なしで全てローンで購入する」ことを言います。全額ローンですよ。通常は考えられません。もしあなたが「株式投資をしたいからお金を貸して!」と金融機関に伝えたらどうなるでしょうか。門前払い&出禁になること間違いなしでしょう。全額どころか1円も貸してくれません。「ビットコインに投資したいから!」と言ったところで結果は同じです。例えあなたが時代の流れに乗っていても、銀行はその話に乗ってくれません。

お金を貸してくれることだけでも他の投資より優遇されているにも関わらず、奇跡の全額です。不動産投資は不動産を担保に取ることが可能な上、安定した賃貸収入を生み出すという理由もあるでしょうが、それにしてもスゴい。1億円近い物件を全額フルローンで購入したという話も聞きました。

確かに、自己資金なしで1億円の物件を買えるなんて夢のような話です。 しかし、ローンはあくまでローンです。返済の必要なお金です。返済が必要なのは金利だけではありません。元本も返済しなくてはいけません。フルローンの場合にはそれだけ返済比率が増えてしまう事になるのです。

不動産投資ローン(アパートローン)の特徴
審査が厳しい
金利が高い(住宅ローン金利:1%前後、不動産投資ローン金利:3{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}以上)
住宅ローンでは本人の属性(職業や年収)などがが重視されるが、不動産投資ローンではその物件の収益性が重視される
住宅ローン:完済時の年齢制限あり、不動産投資ローン:完済時の年齢制限なし

返済比率が高い場合には、物件に空室でも出ようものなら即キャッシュフローはマイナスになります。自己資金なしで物件を購入した優越感など一瞬で吹き飛びます。もちろん、フルローンで購入した場合の元本&金利の返済を十分吸収できるほどの利回りであれば何も問題はありません。しかし、そこまでのピカ一物件が市場に出てくることは稀です。今の不動産投資市場であれば、そのような物件はまず無いでしょう。

断っておきますが、私は「フルローンはダメ!」と言っている訳ではありません。フルローンで物件を購入されてしっかりと運用されている方ももちろんいらっしゃいます。私が言いたいのは、「フルローンで購入する場合には、月々の返済に余裕が持てるくらいの高利回り物件」出なければダメという事なのです。フルローンで購入したのに月々のキャッシュフローがマイナスなんて目もあてられませんので…

5.売りたい時に売れない、売りたくても売れない

株式市場で取引されている株式は売りたい時に大体売れます。もちろんその時の相場の価格でしか売れませんが、売却にそれほど困ることはないのではないでしょうか。売ろうと思えば10秒後には売れます。自分の利用している証券会社のサイトで売却の指示を出しておけば良いだけです。

他方、実物不動産は売りたい時に売れません。相場価格での売却はもちろんの事、相場よりも安値で売却を希望する時も10秒後に売れることはないでしょう。1分後もありません。物件調査や契約及び決済などを考えれば、3ヶ月程度が一般的でしょう。 どんなに早くても1ヶ月程度は間違いなく必要です。不動産取引は金額が高額になりますので、慎重に慎重を期さなければいけません。1ヶ月でも短い、と感じる方も多数いらっしゃるのではないでしょうか。

ここで1つ付け加えなければいけません。上記はあくまで売れる物件の場合です。売れる物件が相場価格(若しくは相場価格以下)で市場に出てきた場合の話です。残念なことに今の日本には価格云々ではなくそもそも売れない物件が存在します。そしてその数は年々増加しています。

地方の人口減少が激しい地域の賃貸物件などは特に売れません。人が居なければ賃貸物件は成り立ちませんので、当然と言えば当然です。もちろん値段次第では購入したいというお客さんが現れるかもしれませんが、売却に苦戦するのは目に見えています。

このように「売りたい時に売れない、売りたくても売れない」ことを専門用語で「流動性が低い」と言います。不動産投資のデメリットの1つとしてよく取り上げられるものです。「明日までにお金が必要になったので、所有不動産を売却する」ということはまずあり得ません。自己資金と相談の上、ムリの無い投資を行いましょう。

6.まとめ

いかがでしたでしょうか。

上記5例が不動産の失敗事例として良く取りあげられているものです。不動産投資において失敗をした経験がある方には、耳の痛い話が含まれているかもしれません。でも安心してください。失敗は致命傷にならなければいくらでも取り返せますから。

そして、この5例すべてに共通している失敗の原因があります。それは「勉強不足」であるという事です。正直なところ、不動産を実務として経験した私から言わせていただくと「当たり前」の事ばかりです。逆に「何でその状況で投資したのですか?」と問いたくなるような話ばかりです。

不動産業者の中には悪徳業者も少なからず存在します。そしてその悪徳業者は「一般消費者の勉強不足」に付け込んできます。不動産の世界は、業者と一般消費者の知識の差が特に大きいという事は認識しておいてください。自分の身を守るための不動産の勉強が間違いなく必要です。

最後までお読み頂きましてありがとうございました。

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