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2017.09.27  

行政の空き家対策についてマジメに考察

空き家 対策

人口減少⇒空き家増加

 

ごくごく普通の流れです。

何もしなければ歯止めはきかないないでしょう。

 

では空き家の増加は何をもたらすのでしょうか。そして行政はどのような対策を講じているのでしょうか。

目次

1. 空き家増加がもたらす問題

古くなった空き家をそのまま放置すると、破損や倒壊により隣人や通行人の方に危害を及ぼす恐れがあります。

庭の樹木なども放置されると、隣地への越境が生じるでしょう。

さらに悪いことに空き家は放火の対象になりやすい。

少し考えただけでも、多数の問題が浮上します。

 

しかし、この空き家問題に対して行政が真剣に取り組んできたとは決して思えません。

本腰をいれて取り組み始めたのはここ数年の事です。

2. 空き家放置を黙認するどころか法律が後押ししている側面があった

よく「なんでも俺は知っている!」風のオジサンの

「土地の上にプレハブ小屋を建てておけば節税になる」

という話聞いたことありませんか。

略して「なんでもオジサン」の話を翻訳すると

更地のまま放置するよりも何か建物が建っている方が固定資産税が安くなる、

という事を言っているのだと思います。オジサン語は難しいので間違っていたらゴメンナサイ。

 

より正確な日本語に直すと

住宅用地の上に一定の条件を満たした建物がある場合には、住宅用地の固定資産税が最大で1/6になる制度

です。どう考えてもプレハブ小屋は条件を満たしそうにないのですが、どうなんでしょうか。

 

この制度があることによって、たとえ利用しない空き家があっても「更地にすると固定資産税が高くなるからこのままにしちゃえ」となってしまっていたのです。確かに私もそうするでしょう。

わざわざ解体費をかけてまで建物を解体したのに固定資産税が上がる、理不尽極まりない仕打ちです。

 

しかし、この固定資産税の減額制度の当初の趣旨は、空き地に住宅をどんどん建設するためであったはず。

つまり、空き地の有効活用を奨励する制度でした

それが今となっては空き家と増加させる制度に変わってしまった。

 

空き地減少を目指した制度⇒空き家増加を促してしまった制度

 

になってしまったのです。

人も企業もそうですが、このような制度も日々変化していかなければいけないのですね。

 

減少⇒増加

 

さすがに行政もこのままではマズイと思ったのでしょう。

平成27年5月に「空き家対策特別措置法」という法律を施行しました。

この法律の施行により、行政から勧告を受け特定空き家に指定された場合、固定資産税の減額制度が適用されなくなりました。1/6の減額制度が利用できなくなるのです。

 

ここで注意していただきたいのは、全ての空き家に適用されるわけではない、という事です。

適切に管理されている空き家にはこの法律は適用されません。1/6が減額されたままです。

危害を及ぼす恐れが高い空き家にのみこの法律は適用されます。

3. この法律の施行により空き家は減少するのか

空き家対策特別措置法は

「空き家を放っておいたら税金があがるかもしれませんよ」

「本当に悪質な空き家は行政側で解体しますよ。解体費用は後ほど所有者に請求します」

と言っているのです。おしりに火をつけて動かすタイプの法律です。

 

この法律、なんかこう、しっくりこないんですよね…。

 

空き家の所有者の方々も好きで空き家を放置している訳ではないと思うんですよ。

売却してお金にかえた方が良いに決まってます。

減額されるといっても毎年固定資産税&都市計画税を払わなければいけないですし。

 

また、この法律により危害を及ぼす可能性の高い空き家は減少するかもしれません。

ですがそれは空き家全体のほんの一部に過ぎません。

この法律と合わせてもう少し抜本的な改革が必要なのではないでしょうか。

つまり

空き家になってからの対策ではなく空き家になる前の対策

 

固定資産税の1/6減額制度は、あくまで既に空き家となってしまったものへの対策です。

本当に必要なのは、その前段階での対策。

つまり利用しない物件があるのであれば、利用してくれる方へスムーズに譲渡できる仕組み。

 

中古住宅流通市場の更なる整備

 

これこそが私が考える一番の対策です。先ほども述べましたが空き家にしたくて空き家になっている訳ではありません。

 

売りたくても売れないから空き家になってしまう

のです。

 

日本では中古住宅の流通量が欧米と比べてはるかに少ないです。欧米は新築よりも中古の方が流通量が多い。

日本における全住宅流通量に占める中古住宅の割合は15{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}前後。欧米と比べて1/6程度です

基本的な建築方式が木造と石造と違う事も影響しているのかもしれませんが、それにしても少なすぎますね。

 

確かに日本にもレインズという不動産の流通を促すシステムがありますが、中古住宅の流通を活性化させるには程遠いものです。そもそもこのシステム、登録している不動産業者しか利用できません。不動産の流通を促進させたいのであれば一般の方々が利用できるシステムであるべきです。

 

レインズも少しずつですが改良をしていますが、空き家増加のスピードには追い付きません

 

更なるスピードアップを期待します。

 

中古戸建流通市場の改革 

4. 新築戸建てや新築マンションの建設を規制する必要はあるのか

欧米では新築住宅供給の総量規制があると聞いたことがあります。

新築住宅が無秩序に増えることを防止する役目を担っています。

 

一方で、わが日本ではそのような事をしたことはないですし、今後もすることはないでしょう。

住宅供給が過剰すぎて売れなくなり、供給元である企業が自ら建設をストップすることはあるでしょうが。

 

そもそも日本の住宅市場は、戦後の住宅不足に原点にあります。新築住宅をバンバン作るように政府も奨励していました。

戦後の経済発展に住宅建設は欠かせないものであったのです。

 

今の日本の経済でも住宅を含めた不動産業が重要なポジションを占めています。

そこにメスを入れて規制などをしてしまったら、どうなるかは想像にお任せします。

5. まとめ

私は総量規制よりも中古住宅流通市場のインフラを整えることこそが、日本に最大限の効果をもたらす空き家対策であると私は考えます。

他の国で成功している政策でも、日本で成功するとは限りませんので。

 

もちろん中古住宅が流通するようになれば、間接的に新築住宅の建築戸数は減少します。

それでも無理やり押し付ける総量規制よりも理にかなっています。

 

現在でも、民間の不動産サイトが中古住宅の流通を活性化させようと奮闘しています。

行政に限らず民間からも中古住宅流通にチャレンジする企業がドンドン登場してくれれば近い将来絶対に良い方向に向かうはずです。

 

私も非力で微力ですが、頑張ってみようかなと思っています。


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