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2018.05.25  

立ち退き料が4億3千万円!?なぜ、これ程までに高額になるのか?

立ち退き料

私が生涯に稼ぐお金は立ち退き料の何分の一なのでしょうか。立ち退き料で4,3億円て。。。しかも、これ、1980年代の不動産バブル期の話ではありません。その当時は少しオカシイ立ち退き料が蔓延していたと聞きますが、ごく最近話です。平成23年の裁判によって算出された立ち退き料の金額です。

参照:一般社団法人不動産適正取引推進機構「東京地方裁判所 平成23年1月18日判例」

もちろん、ワンルームの賃貸マンションに居住していてこれだけ高額な立ち退き料がもらえるかどうかと問われれば、まず貰えません。立ち退き料が4.3億円になったのは、それ相応の理由があったからです。主な理由としては、

  • JR原宿駅の竹下通り沿いにある好立地物件
  • 事業用の賃貸物件(スポーツ用品販売の店舗として借りていた)
  • 32年間という長期に渡り借りていた
  • スポーツ用品販売の年間売り上げは約3.5億円
  • 立ち退きにより営業休止に追い込まれる

となります。営業として利用している賃貸物件の場合には高額になる傾向があるようです。詳細な話に入る前に、まずは「立ち退き料とは何か?」から。

「このお金を受け取ってこの部屋から出て行ってくれ!」

これが立ち退き料です。「このお金で別れてくれ!」は手切れ金ですが、似たようなものかもしれません。勢い余って書いてしまいましたが、例えが適切でなかった恐れがあります。すいません…

賃貸マンションでもオフィスビルでもテナントビルでも何でも構いません。建物のオーナー(賃貸人)が賃借人に対して、賃貸物件を明け渡してもらう代わりに支払われる金銭が立ち退き料です。マンションは生活の拠点であり、オフィスビルやテナントビルはビジネスの拠点です。そのような重要な拠点からオーナー側の都合により退去して頂くことになりますので、その代償として金銭を支払う事は至極当然のように思えます。

もちろん、賃借人側が「立ち退き料はいらない」と言うのであれば立ち退き料は必要はありません。そのような聖者であり賢人である方がどのくらいいらっしゃるのか定かではありませんが。。。

立ち退き料に関しての最大の関心事は”ぶっちゃけいくら貰えるのか”であることに疑いの余地はありません。なので、余計な話は抜きにして単刀直入に申し上げます。

立ち退き料に相場はありません

個々の事案により立ち退き料は大幅に異なります。4.3億円の立ち退き料がもらえることもあるし、数万円しかもらえないこともあります。事案によっては立ち退き料無しの場合もあるでしょう。”家賃の〇ヶ月分”であるとか”更地価格の〇{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}”であるとかの相場が存在しないのです。

そもそも、立ち退き料は法律用語ではありません。つまり、民法や宅地建物取引業法により定められているものではないのです。なので、立ち退き料は当事者の合意があればいかようにも設定できるのです。

もちろん、立ち退き料算定に際して重要視される点は判例によって明らかになっています。

  • 移転費用
  • 立ち退きによって失われる経済的損失
  • 迷惑料
  • 営業補償(事業用として借りている場合)

他方、賃貸人サイドからの立ち退き要求に正当事由が認められる場合があります。例えば、

賃貸人自身がその賃貸物件を自ら利用する必要がある場合(ex.自らの住居や営業として利用する)

建物を建て替える必要性がある場合(倒壊の恐れなど)

賃貸人サイドに立ち退きの正当理由が存在する場合には、立ち退き料は低くなる可能性があります。逆に、賃貸人サイドの勝手な都合により立ち退きを求められた場合には、立ち退き料は高額になるでしょう


このように、立ち退き料を算定する際には、個々の様々な事情を考慮に入れなければいけません。相場が存在しない理由がお分かりいただけたかと思います。賃貸人としては出来る限り安く済ませたいし、賃借人としては出来る限り多く貰いたいのが立ち退き料なのです。難しい問題なのです。立ち退き専門の業者が居るほどの専門的知識を必要とする分野なのです。

最後にもう1つ。

不動産バブル期に仕事の都合により自宅を離れることになったため、自宅を貸し出すことになった方がいました。自宅は数億円もする高額なものであり、高額な家賃で貸し出すことが出来ました。その後、当事者間でトラブルが発生し最終的には賃借人に立ち退きを求めることになったのですが、その時に算出された立ち退き料は”1億円”でした。住居の立ち退きでも立ち退き料が高額になることもある、という例です。こんなこともあるんだな、程度に頭の片隅に置いといてください。

最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。

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