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2018.01.05   2018.04.06

「高空室率・賃料下落」の状況下でサブリース会社に未来はあるのか?

サブリース会社の未来

空室率。既に東京都でも30{9b6a60116f1ce4138cb916d038a564d83dd1a941c3c2e5ff8f9a4f78ff99e0c8}を超えています。もちろん都心3区(千代田区・中央区・港区)などでは空室率は低いです。都心3区は今後も人口が増加するという推計が出ています。なんと2040年まで人口が増加するようです。都心3区に不動産をお持ちの方、安心して不動産経営を楽しんでください。

 

 

また、賃貸マンションの賃料にもよろしくない傾向が。2015年の相続税改正により、相続税が実質増加しました。少しでも相続税を抑えようと土地のオーナーが賃貸住宅を建設する現象が起きました。マイナス金利に代表される金融緩和策により貸し出し金利が低下しました。とうぜん不動産向け融資の金利も低下したので、賃貸住宅建設ラッシュを後押ししました。既に飽和状態の賃貸住宅市場に新たに大量の賃貸住宅が供給されたことにより、賃料が下落。今後も下落傾向が続くようです。

 

 

「高空室率・賃料下落」。不動産オーナーと入居者の間に入って不動産の管理を全般的に行う代わりに賃料の一部をもらうサブリース会社にとっては致命的ともいえる状況ではないでしょうか。空室が発生してもオーナーには賃料を支払わなければいけないし、賃料が下落したらそもそもの取り分が減りますし。

 

 

こういう時は大手サブリース会社の決算書を見るのが一番です。嘘偽りのない現状が確認できますので。

目次

1.決算書から確認できることは「超絶好調!」ということ

大東建託株式会社(平成30年3月期 第2四半期決算短信)

売上高:782,069百万円(前期:738,871百万円)

営業利益:79,273百万円(前期:71,950百万円)

経常利益:81,905百万円(前期:74,120百万円)

四半期純利益:56,006百万円(前期:50,180百万円)

 

参照:大東建託株式会社「平成30年3月期 第2四半期決算短信[日本基準](連結)」

株式会社レオパレス21(平成30年3月期 第2四半期決算短信)

売上高:258,740百万円(前期:255,190百万円)

営業利益:13,987百万円(前期:11,337百万円)

経常利益:13,827百万円(前期:10,742百万円)

四半期純利益:9,488百万円(前期:9,688百万円)

 

参照:レオパレス21株式会社「平成30年3月期 第2四半期決算短信[日本基準](連結)」

 

というか、まだ第2四半期の決算ですよね、これ。大東建託さんて売上高1兆円をゆうに超える企業さんだったという事を初めて知りました。CMはよく流れてるなと思っていましたが、その理由がやっとわかりました。お金が余っていたのですね

 

 

既に空室率は増加してるし賃料は下落し始めているはずなのに、なんでこれほどまでに超余裕なんでしょうか。これは怪しい。絶対にウラがあります。これはサブリース会社の儲けのしくみを確認する必要があります。

2.サブリース会社の儲けのしくみ

サブリース会社の収益の柱は「賃料の中抜き」だと思っていましたが、そうではないようです。大東建託さんなどの建築も請け負うサブリース会社は、建築の段階で30~40%の粗利益を確保しているらしいです。実際にサブリース会社に建築を頼んだ場合と、サブリース会社を利用せず普通に頼んだ場合の見積もりを比較した方が、

 

サブリース無の建築費×1.5=サブリース有の建築費

 

と言っていました。これはボッタクリと言われても仕方ないレベルなのではないでしょうか。そして「他の会社が建築した場合にはサブリースは引き受けません」という事がほとんどだとか。もう「建築で儲けさせてもらいますよ!」って言っているようなもんですよね。この発言。そしてここ数年の「相続税対策」「超低金利」に後押しされた「賃貸住宅建設ラッシュ」。これが超絶好調決算の一番の理由なのです。言葉がありません。

 

 

もちろんサブリース契約における賃料収入も重要な収益ですが、仮にサブリース契約が解除されても建築費で既に儲けているので、会社としては成功なのでしょう。「次いこ、次」という感じで新たなアパートオーナーを探せば良いだけなのです。不動産業経験者から見れば「そんな簡単なトリックには騙されないぞ!」という感じですが、未経験の方には気付くのが難しいのかもしれませんね。この超絶好調決算の裏にはこのようなカラクリが潜んでいるのです。

3.だがしかし「空室増加・家賃下落」はいずれ確実に影響を及ぼすはず

今はまだ賃貸住宅投資が盛んなので良いでしょう。銀行の不動産業への新規貸し出しは2015年が10兆円超、2016年は12兆円超とバブル期の10.4兆円(1989年)を超えています。「土地は持っているだけで儲かる」という迷言が生まれた時代よりも銀行は不動産業に多くお金を融資しているのです。儲かるはずですよ。

 

 

しかし、確実に絶対にボディーブローのようにじわじわと効いてくるはずです。この賃貸市場の動向に日本銀行すら異例の警鐘を鳴らしています。日本銀行は、

 

「多くの地主等が短期間のうちに貸家経営に乗り出した結果、貸家市場全体でみると、需給が緩みつつあるという声が聞かれている。実際、賃貸物件の仲介業者等からは、郊外の築古物件など相対的に魅力の乏しい物件を中心に、空室率の上昇や家賃の下落がみられるとの声が聞かれている」

参照:日本銀行「地域経済報告(2017年1月)」

 

上記のように述べています。私のつたない解釈によれば「今後賃貸住宅マーケットは縮小するから気を付けろよ!」ということになります。

 

 

サブリース契約には「空室状況、近隣相場の家賃の変動、経済状況を鑑みてオーナーへの支払い賃料は変動する」と書かれていることがほとんどです。つまり、周辺相場の家賃が下がったらオーナーへの支払い賃料も減額します、と言っています。今後はサブリース会社からオーナーへの賃料減額要求が一気に増加するでしょう。その時に大多数のオーナーがサブリースというものをどう見るか、が今後の流れを作ると私は考えています。

4.まとめ

2017年2月レオパレス21を相手取り、家賃減額分の支払いを求めて裁判が起こりました。提訴したのは愛知県のオーナーさんです。今後は家賃下落時代に突入します。このような裁判は間違いなく激増します。そして裁判例が出れば出るほど、今後のサブリースの在り方が徐々に形作られるはずです。

 

 

アパートを建ててアパート経営を行いたいがノウハウがないオーナーがいる限りは、サブリース会社の出番はあるでしょう。また同様の理由でサブリース会社から賃料減額要求が来ても、ノウハウがないために飲まざるを得ないオーナーも多数いらっしゃるでしょう。しかし、それはオーナーに「ノウハウ」がないから成り立っているだけです。アパート経営のノウハウの提供やアフターフォローを行うインターネットサイトなどが登場したら、どうなるでしょうか。サイト上でのやり取りに特化できれば費用は限りなく安くなります。

 

 

高費用のサブリースvs低費用のインターネットサイト

 

 

上記のバトルが実現したら面白そうですよね。

本日も最後までお読み頂きましてありがとうございました。


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